HS2028改正① 公衆衛生分野の貿易モニタリング機能を強化

 これから数回に分けて2028年に施行されるHS品目表改正の概要を紹介していきす。
 初回は、公衆衛生の緊急時に使用される必需品の貿易モニタリングが機能の強化です。
 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに際してはマスクや防護服、医療用機器等、種々の物品が不足しましたが、正確な流通の実態を知ることは困難でした。
 今回の改正では、ワクチンに関する項の新設や、マスク、医療用防護服、その他の医療用品に関する細分が設定され、公衆衛生の必需品の国際貿易のモニタリングが可能となります。

目次

ワクチンの項の新設

 ワクチンは現在第30.02項に分類されており、
  3002.41 人用ワクチン
  3002.42 動物用ワクチン
の細分が設けられています。
 HS2028では、
  30.07項 人用ワクチン
  30.08項 その他のワクチン
の2つの項が新設されます。

新第30.07項 人用ワクチン

 新設される第30.07項には、人用ワクチンに関して次の詳細な細分が設けられます。
 各種のワクチンの国際貿易が詳細に把握できるようになります。

ー麻疹、風疹、水痘、帯状疱疹、おたふくかぜ用ワクチン(混合、単独問わず)

3007.11ーー麻疹(はしか)

3007.12ーー麻疹・風疹混合(MR)

3007.13ーー水痘(水ぼうそう)

3007.14ーー帯状疱疹

3007.15ーー麻疹・おたふくかぜ・風疹混合(MMR)および麻疹・おたふくかぜ・風疹・水痘混合(MMRV)

3007.19ーその他(3007.11から3007.19までのワクチンの2種以上の混合を含む)

ーポリオ、ジフテリア、破傷風、百日咳、肝炎、ヘモフィルス・インフルエンザb型(Hib)用ワクチン(混合、単独問わず)

3007.21ーーポリオ

3007.22ーージフテリア・破傷風混合(DT)

3007.23ーージフテリア・破傷風・百日咳混合(DTP/DTaP)

3007.24ーーA型肝炎

3007.25ーーB型肝炎

3007.26ーーヘモフィルス・インフルエンザb型(Hib)

3007.27ーーDTPにB型肝炎およびHibを混合したもの(5価ワクチン)、またはそれに不活化ポリオワクチン(IPV)を加えたもの(6価ワクチン)

3007.29ーーその他(3007.21から3007.29までのワクチンの2種以上の混合を含む)

ー結核、肺炎球菌、ロタウイルス、ヒトパピローマウイルス用ワクチン(混合していないもの)

3007.31ーーBCG(結核ワクチン)

3007.32ーーその他の結核ワクチン

3007.33ーー肺炎球菌

3007.34ーーロタウイルス(RV)

3007.35ーーヒトパピローマウイルス(HPV)

ー髄膜炎、チフス、コレラ、デング熱、狂犬病、マラリア用ワクチン(混合していないもの)

3007.41ーー髄膜炎(単価ワクチン)

3007.4ーー2髄膜炎(多価ワクチン)

3007.43ーーチフス

3007.44ーーコレラ

3007.45ーーデング熱

3007.46ーー狂犬病

3007.47ーーマラリア

ーインフルエンザ、RSウイルス(RSV)、コロナウイルス用ワクチン(混合、単独問わず)

3007.51ーーインフルエンザ(単価ワクチン)

3007.52ーーインフルエンザ(多価ワクチン)

3007.53ーーRSウイルス(RSV)

3007.54ーーコロナウイルス

3007.59ーー3007.51から3007.54までのワクチンの2種以上の混合

ー黄熱、天然痘、エムポックス(猿痘)、エボラ、脳炎、チクングニア、連鎖球菌用ワクチン(混合していないもの)

3007.61ーー黄熱

3007.62ーー天然痘およびエムポックス(Mpox/サル痘)

3007.63ーーエボラ

3007.64ーー脳炎(日本脳炎など)

3007.65ーーチクングニア

3007.66ーー連鎖球菌

3007.90ーその他

新第3008項 人用以外のワクチン

 人用以外のワクチンを分類する項が新設されます。
 現在、動物用ワクチンは第3002.42項に分類されていますが、HS2028では第3008.10号に分類されます。
 また、人用、動物用以外のワクチンは現在毒素、培養微生物と同じ第3002.49号に分類されていますが、HS2028では、「その他のワクチン」として独立し、第3008.90号に分類されることとなります。

マスク、医療用防護用具に関する細分の追加

プラスチック製品

 第39.26項にフェイスシールドと遺体袋に関する細分が設けられます。

ー飛沫の拡散を防御するために用いられる種類の保護用フェイスシールドおよび遺体袋:

3926.61ーー飛沫の拡散を防御するために用いられる種類の保護用フェイスシールド

3926.62ーー遺体袋(ボディバッグ)

繊維製品

 第63類にマスクに関する細分が追加されます。第63類には編物、織物(ガーゼを含む。)及び不織布性のものが分類されます。

ー防護マスク
6307.31ーー63類注2に規定する防護マスク
6307.39ーーその他のもの

 号注2にはフィルター機能が公的な認証を受けたものと規定されてされていますので、第6307.31号には現在の国内細分6307.90-021に相当マスクが分類されると考えられます。

救急車(第87類)

 第87.03項(10人未満を輸送する乗用自動車その他の自動車)と第87.05項(特殊自動車)に以下の細分が追加追加されます。

8703.12ーー救急車

8705.50ーー医療用、外科用、歯科用または獣医用の移動式診療車(放射線用または医療検査用のユニットを含む。)

医療用機器等(第90類)

90.18項 医療用又は獣医用の機器

 項の規定に「気管挿管キット」を追加し、気管挿管キットが第90.18項に分類されることを明確にしています。
 以下の細分を設けています。いずれもCOVID-19の際に活躍した機器です。

9018.15ーーパルスオキシメーター

9018.16ーーその他のもの(複数項目)の連続モニタリング用

9018.91ーー気管挿管用の機器(キットの形式にまとめられているかいないかを問わない。)

9018.92ーー吸引ポンプ

9018.99ーーその他のもの

90.19項 オゾン吸入器、酸素吸入器等

 現在の第9019.20号(オゾン療法用機器、エアゾール療法用機器、酸素吸入療法用機器、人工呼吸器その他治療用の呼吸用機器)に下記の細分を追加しています。

9019.21ーーオゾン療法用またはエアゾール療法用の機器

9019.22ーー酸素吸入療法用機器、人工呼吸器その他治療用の呼吸用機器

90.20項 その他の呼吸用機器及びガスマスク

 現行のHSでは細分は設定されていませんが、HS2028では下記の細分を設けています。

9020.10ーガスマスク及び防護マスクを除く

 なお、第11部注1に、90.20項の「ガスマスク及び防護マスク」が分類されない旨明記しました。

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