現実支払価格(通常はインボイス価格)に運賃、保険料等が含まれていない場合には、これらの費用を加算して輸入申告を行う必要があります。
 なお、関税評価条約において、運賃・保険料の加算は任意となっており、米国等、課税価格の決定において運賃・保険を加算しない国もあります。

目次

課税価格に加算すべき運賃・保険料等

 現実支払価格(通常はインボイス価格)に次の運賃、保険料等が含まれていない場合には、現実支払価格にこれらの運賃、保険料を加算して輸入申告を行う必要があります。
 従ってインボイス価格が運賃、保険料等が含まれていないFOB価格である場合には、日本までの輸送に係る運賃及び保険料を加算する必要があります。

  • 輸入港に到着するまでの運送に要する運賃・保険料
  • 輸出国内の運送料・一時保管費用・保険料
  • 輸出地のコンテナ・ターミナル・チャージ
  • 輸出通関料・手数料 コンテナ賃借料

CIF契約における運賃取扱いの注意点

 CIF契約で輸入する場合に通常、運賃をインボイス価格に加算する必要はありません。
 しかし、国際輸送に係る費用を買手が負担した場合にはそれらの費用を加算して輸入申告する必要があります。

サーチャージ等が輸入者に請求される場合

 運賃・保険料込みのCIF価格の場合には基本的にインボイスにこれらの費用を加算する必要はありません。しかし、CIF契約でも、船社の燃油サーチャージ、コンテナリース料、ホットデリバリーチャージ等が輸入者に請求されることがあります。場合によっては特殊なコンテナのリース料を買手が負担することがあります。この場合には、これらの費用をインボイス価格に加算して課税価格を計算する必要があります。

海上運賃のCIF契約で航空運賃を別途支払い輸入した場合

 海上運賃のCIF契約で、納期が間に合わない等の理由により買手の負担により航空運賃を支払って輸入した場合には、航空運賃をインボイス価格に加算して輸入申告する必要があります。

災害等による航空輸送の特例

 戦争、災害、ストライキ等、輸入者の責めに帰すことが出来ない事情で輸入契約を行っていた貨物が、予め船積契約していた海上輸送では納期に間に合わないので航空輸送を行った場合、この場合の運賃は当初の運送契約に基づく海上運賃により申告することが出来ます。
 その際、税関には当該事実関係を証明する必要があります。

(関税定率法第4条第1項第1号、同施行令1条の5第1項、関税定率法基本通達4-8(8)イ)

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