英国のCTPP(TPP11)への加入
7月16日に英国が環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CTPP、我が国ではTPP11と略称)に加入する議定書が署名されました。(外務省ホームページ参照)
現在のCTPP加盟国のうち、マレーシアとブルネイについては現時点で英国との自由貿易協定はなく、初の協定となるそうです。
英国がCTPPの締約国となるためには、次の手続きが必要ななります。
- 各国においてその締結に必要な国内手続を行う。日本では国会の承認が必要なので、早ければ秋の臨時国会での承認となると思われます。
- 英国及び全てのCTPP締約国の手続き終了後、60日で発効。
- 署名15か月以内に英国及び全てのCPTPP締約国が締結していない場合、英国及び6か国以上のCPTPP締約国が締結後(署名15か月の時点でこの要件が満たされていれば、その時点から)、60日で発効。
関係国の手続きが順調に進めば来年早々の発効も考えられますが、1か国でも締約国の手続きが順調に進まなければ、上記③の手続きとなり、来年11月以降の発効となると考えられます。
複数のEPAを利用できるときは有利な方を利用する
日本と英国には既に日英EPAがあるので、税率に関しては、英国への精米や建設用タイヤ以外に税率は変わらないとのことです。(「CPTPP(英国加入議定書の署名について)」参照)
ただ、日英EPAとCTPPでは、原産地規則が大きく異なるので、有利な協定を利用できるというメリットがあります。例えば、日英EPAの機械類の原産地規則は基本的にCTHで部品の組立ではEPAを利用することができませんが、CTPPの原産地規則は複雑ですが、重点価額方式(FV)という独自の原産地基準があり、少し原産地規則を満たしやすくなっています。
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