EPA・FTAの原産地証明と機械類部分品分類5原則

 関税分類変更基準を用いて機械類の原産地証明を行う場合、生産に使用した部分品・原材料のHSコードを正しく附番していく必要があります。
 機械類の部分品・原材料のHSコードは、HS品目表の部注、類注及び項の規定に従い附番していくこととなりますが、これらの規定は難解です。FFTAコンサルティングがでは、これら難解な規定を「機械類部分品分類5原則」として平易にまとめています。
 このFFTAコンサルティングの「機械類部分品分類5原則」を適用し、EPAの原産地証明を行う際の注意点について解説しています。

目次

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機械類(第16部)の部分品分類5原則

 「機械類部分品分類5原則」は、当コンサルティングが非常に難解な第16部注に規定されている機械類の部分品のHSコードの附番方法について、分かりやすく5原則にまとめたものです。

関税分類変更基準への適用

 機械類の関税分類変更基準の殆どが「CTH」(項変更基準:HSコード4桁変更)又はCTSH (号変更基準:HSコード桁変更)です。
 機械類の部分品分類5原則では、一部の例外を除き、原則4に該当しない部分品・原材料は、機械本体と異なる項に分類されるので、関税分類変更基準を満足することとなります。
 以下、関税分類変更基準と原則4に該当する部分品との関係についてみていくこととします。

原則4に該当する部分品

 CTH基準の場合に問題となるのが、機械類部分品分類5原則の原則4「機械類の部分品は機械と同じ項に分類する」という原則に該当する部分品です。
 この原則に該当する部分品には次の2つのカテゴリーがあります。

  1. 機械本体と同じ項に分類されるもの
  2. 機械本体と同じ項には分類されないが、特定のカテゴリーの機械の部分品のみを分類する項に該当する部分品

 原則4には、原則1~3、原則5及び「番外」、「例外」に該当する部分品・原材料を除き、機械の組立てに使用する全ての部分品が該当します。
 特に機械の筐体にも原則4が適用されるので注意が必要です。

CTHの原産地基準の場合

 CTHの基準の場合は、上記1に該当する物品が原産地基準を満たさない部分品となります。
 協定によっては、上記1及び2の両者が原産地基準を満たさない部分品であると規定されていることがあります。
 日アセアンEPAは前者に該当し、日EU・EPAは後者に該当します。勿論、後者の基準の方がより厳しい基準となります。
 例えば前者の場合は、ガソリンエンジンの部分品はガソリンエンジンとは異なる項に分類されるので、構成要素の組立てのみでCTHを満たすことが出来、実質的にこれらの項の物品については、CTSHと同じ基準となります。

【参考】特定のカテゴリーの機械の部分品のみを分類する項

  • 84.09:84.07 項又は 84.08 項のエンジンの部分品
  • 84.31:84.25 項から 84.30 項までの荷役機械・土木建設用機械等の部分品
  • 84.48:84.44 項から 84.47 項までの繊維用機械の部分品
  • 84.66:84.56 項から 84.65 項までの工作機械等の部分品
  • 84.73:84.70 項から 84.72 項までの事務用機器の部分品
  • 85.03:85.01 項又は 85.02 項の電動機及び発電機の部分品(85.03)
  • 85.22:85.19 項又は 85.21 項の音声及びビデオの記録用又は再生用機器の部分品
  • 85.29:85.25 項から 85.28 項までのラジオ、テレビ、無線用機器等の部分品
  • 85.38:85.35 項から 85.37 項までの電気回路用機器、配電盤等の部分品

原則4以外で機械本体と同じ項に分類される部分品

 HS品目表で原則4に該当しない場合においても、機械本体と部分品が同じ項に分類される事例があります。
 例えば、電熱用抵抗体は、項の規定により第84.16項に分類することが規定されています。原則3の適用となりますが、ヘアードライヤー、電気アイロンと同じ項(第84.16項)に分類されることとなります。

CTSHの原産地基準の場合

原則4に該当する部分品は、通常

  • 機械本体と同じ項の「部分品」を分類する号、又は、
  • 特定のカテゴリーの機械の部分品のみを分類する項

に属することとなります。従って、機械本体と部分品の属する号は異なるので、部分品を組立てて機械を製造した場合においても、原産地基準を満たすこととなります。(下記に示すような事例を除く。)

CTSHの基準を満たさない製造・組立

 次のような場合は、CTSHの基準を満たすことは出来ません。

  • 機械本体と同じ号に属する部分品を使用する場合
    次のような事例が該当します。
    • 項の中に「部分品」を分類する項がない場合
      例えば、第84.09項のガソリンエンジン用気化器をその部分品から組み立てる場合。
      第84.09項には部分品を分類する号がないので、気化器とその部分品は同じ号に分類されます。
    • 機械の部分品をその部分品から組み立てる場合
      機械の部分品の部分品は、機械の部分品分類5原則に従いHSコードを決定します。原則4に該当する部分品の部分品は、機械の部分として分類されることとなります。
  • 通則2(a) が適用される未完成の機械に他の部分品を取り付けて完成品を製造した場合
    例えば、遠心分離装置にドラムを取り付けて遠心分離機を完成させた場合
  • 完成した製品に更にモジュールを取り付けたものであるが、項の変更を伴うような加工が行われていない場合
    例えば、完成した電池数個を一まとめにしてボックスに入れ、電源モジュールを製造した場合
  • EPAの「原産資格を与えることとならない作業」に該当する簡単な加工・組立てしか行われていない場合。部分品を取り揃えて、完成品の製造キットを作成する場合を含みます。

EPA/FTA原産地証明のコンサルティング

コンサルティング
*原産地証明書の根拠資料の作成方法が分からない。
*JETROや商工会議所に相談したが、原材料のHSコードが分からない。
*輸入国税関から問い合わせが来たが、どのように対応したらよいかわからない。

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