無償提供原材料を使用した貨物の輸出申告価格とEPAのFOB価格

 償提供原材料を使用した貨物のEPAの付加価値基準を使用する場合のFOB価格の決定方法については、「EPA付加価値基準における無償提供原材料の取扱い」のページで次の通りとなることを解説しました。

  FOB価格=売買契約に基づくFOB価格+無償提供原材料の価格

 ある顧客は日本商工会議所から、FOB価格は、契約した売買価格であり、輸出先から提供を受けた無償提供材料の価格は考慮する必要が無いとの指摘を受けたそうです。
 その根拠として下記のことを言われたそうです。

  • 協定では、FOB価格は「輸送の方法を問わず、産品の買手から当該産品の売手に支払われる当該産品の本船渡しの価額をいう。」とされている。
  • 日本の税関への輸出申告価格も、関税法基本通達67―1―4(輸出申告書に記載すべき価格)(1)で、「貨物代金が有償で輸出される貨物については、原則として当該貨物の現実の決済金額を基とする。」とされている。

 税関にも改めて確認しましたが、上記の日本商工会議所の担当者の見解は誤っています。 

上記の❶については、「EPA付加価値基準における無償提供原材料の取扱い」のページで解説したとおり、無償提供貨物を含む物品のFOB価格は売買による価格ではなく、「産品の本船渡しの価額が存在しない場合」に相当し、関税評価協定に基づき無償提供貨物の価格を加算してEPAのFOB価格を決定する必要があります
 そうしなければ、輸入者から原材料の提供を受けた場合に、有償で取得した場合と無償で取得した場合で同一物品の製造を行う際の付加価値が異なるというおかしな事態が発生します。

 また、上記❷については、日本の税関の輸出申告価格の規定とEPAのFOB価格の規定は直接関係するものではありません。原産地証明を行う際に、EPAの規定に従い輸入者からの無償提供貨物を含む物品のFOB価格を決定する必要があります。
 輸出貨物の申告価格は、関税法基本通達67―1―4で規定されています。見かけ上の決済金額が取引の実態を反映せず、「現実の決済金額」と異なる場合は多数あります。明示はされていませんが、輸出申告価格は原則として関税評価協定上の価格に準ずると考えることが妥当で、無償提供貨物の代金も含まれるものと考えます。

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