HS2028改正③ 栄養補助食品の項の新設
HS2028では、食品か医薬品かという長年の分類課題に対応するため、栄養補助食品を分類する第21.07項を新設しました。新第21.07項に分類される物品を明確にするため、類注4及び5を新設しています。
これまで栄養補助食品(サプリメント)は、その成分や製法により食品の様々な項や第30類、第35類、第38類に分類されていました。
また、第30類に分類される医療用栄養調製品の定義を類注で規定し、第21.07項に分類される栄養補助食品と第30類に分類される医療用栄養調製品の区別を明確にしています。
目次
栄養補助食品(新第21.07項)
第21.07項には次の2種類の栄誉補助食品が分類されます。
- 類注5で規定された投与量にした栄養補助食品
カプセルや錠剤の形状を持つ栄養補助食品(小売り用の包装でなくても良い。) - その他の栄養補助食品(小売用に包装したものに限るものとし、他の項に該当するものを除く。)
このカテゴリーの物品には複数の成分が含まれていなければなりません。
「栄養補助食品」の定義
第21.07項に分類される「栄養補助食品」とは何かということを明確にするために類注4を新設しています。
第21.07項において「栄養補助食品」とは、通常の食餌を補助することを目的とした次の物品のみをいう。
- 本類の注5の規定に従い投与量にした栄養補助食品(小売用の包装をしているか否かを問はない。)
- 本類の注5の規定に従い投与量にしていない栄養補助食品で小売用の包装をしているもの。これらの調製品は少なくとも2以上の物質からなり、通常、1またはそれ以上のビタミン、ミネラル、アミノ酸、濃縮物、抽出物、分離物又は食品中に存在する物質に類するもの、またはそれらの合成物からなっている。包装または添付された使用説明書には、以下の表示がなされていなければならない。
- 有効成分の濃度及び含有物
- 用量
- 使用方法
「投与量」の定義
新第21.07項の「投与量」とは、新類注5で次のように規定されています。
第21.07項において「投与量」とは、単回投与用(1回分)として意図されたカプセル、丸薬、錠剤、アンプル及びカシェ剤をいう。
カシェ剤とは、粉薬を包むオブラートのようなカプセルの一種のことを言います。
第30.04項にも「投与量」という言葉が出てきますが、第30類の関税率表解説に「投与量」の定義が記載されています。第30類では医薬品のため経皮投与剤等も含まれており、第21.07項の物品よりもその範囲は広いと考えられます。
医薬用栄養調製品(第30類)
投与量にした医療用の栄養調製品は現在でも第30.04項に分類されているが、新たに第30類注4を追加し、第30.04項に分類される医薬用栄養調製品の範囲を明確にしました。
新類注4では、医療用栄養調製品は、一つの成分の含有量が一般的な健康又は健康状態を維持するための一日当たりの推奨許容量よりも著しく高くなければならないとされています。新第21.07項の栄養補助食品と第30.04項の医薬用栄養調製品の区分を明確にしています。
第30.04項において、「医療用栄養調整品(pharmaceutical nutritional products)」とは、特定の疾病、障害又は身体の異常の治療を特に目的として調製された、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸及び脂肪酸を含有する調製品(例えば、悪性貧血用のビタミンB12注射剤や、眼球乾燥症用のビタミンA調製品)をいう。これらの調製品は、そのラベル、包装又は添付されている使用説明書に、次の事項が記載されていなければならない。
(a) 当該製品が使用される特定の疾病、疾患又はそれらの症状
(b) 含まれる有効成分の濃度
(c) 用量(用法・用量)
(d) 使用方法(投与経路・適用方法)
ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸又は脂肪酸を主成分とする調製品の場合、ラベルに記載されている1日当たりの推奨投与量に含まれるこれらの成分のうち、少なくとも1つの成分の含有量が、一般的な健康又は健康状態を維持するための1日当たりの推奨摂取量よりも著しく高くなければならない。
新第30類注4
医薬用栄養調製品に関する細分の新設
ビタミン剤を分類する第3004.50号が削除され、新たに医薬用栄養調製品を分類する第3004.71号と第3004.79号が設けられました。この結果、現在第3004.50号に分類されているビタミン剤は、第3004.71号(第29.36項の物品(ビタミン等)を含む医薬用栄養調製品)又は第3004.90号(その他の医薬品)に分類されることとなります。
栄養強化食品に使用される化学品の細分の新設
栄養強化食品によく使用される化学品の細分が新設されます。
ヨウ素
ヨウ素化合物は甲状腺ホルモンの生成に重要な役割を果たす栄養素である。 日本人はヨウ素を豊富に含む海藻を食すのでヨウ素不足とは一般的に無縁であるが、世界的にはヨウ素不足に陥る地域が多いと言われている。
第28.37項にヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウムの細分を新設する。
ビタミンA
日本ではビタミンAの摂取不足で病気となることは稀であるが、特にアフリカや東南アジアの国では公衆衛生上の問題となっている。ビタミン類を分類する第29.36項において、「2936.21 ビタミン及びその誘導体」の号が削除され、新たに次の号が新設された。
-ビタミンA及びその誘導体(混合していないものに限る。)
2936.11–パルミチン酸ビタミンA及びその酢酸塩
2936.19–その他のもの
現在の2936.90号は次のような細分となります。
-その他のもの(天然のものを濃縮したものを含む>)
2936.91 — ビタミンAパルミチン酸塩、硝酸チアミン、リボフラビン(INN)、ニコチン酸アミド(INN)、塩酸ピリドキシン及び葉酸(INN)の相互の混合物
2936.92 — ビタミンAパルミチン酸塩及びビタミンD3の相互の混合物
2936.99 — その他のもの
ニコチン含有物品の分類の明確化(第24類)
第24類注1を改正し、薬品を含有するエアゾール容器を含む医薬品は第30類に含まれること、また、禁煙用のニコチンを含有する物品又は当該物品を含有する器具は第24類に分類されることを明確にしています。
この類には、第30類の医薬品(当該医薬品を含有するエアゾール容器を含む。)を含まない。ただし、禁煙用のニコチンを含有する物品又は当該物品を含有する器具は、引き続きこの類に分類する
第24.04項には、ニコチン代用物を含有するか否かに拘らず、第30類に含まれる医薬用以外の非燃焼吸引用物品が含まれることとなります。
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