機械類・電気機器(第16部、即ち第84類及び第85類の物品)の部分品のHSコード分類は複雑で、分かりにくい分野です。
 一方、これらの部分品の分類を正確に行うことは、EPAの原産地証明を正しく行うためには不可欠です。
 機械類・電気機器の部分品のHSコードを5原則にまとめて解説していきます。
 なお、実際の部分品の分類に当たっては、通則、部注、類注、号注及び項、号の規定に従ってください。

目次

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原則1 ボルト、ナット等の汎用性の部分品は材質により分類

 ボルト、ナット、ワッシャー等の汎用性の部分品はその材質により分類します。例えば、ボルト、ナット、ワッシャーの場合は、次のように分類されます。

  • プラスチック製のボルト、ナット、ワッシャー ⇒ 第39.26項
  • 鉄鋼製のボルト、ナット、ワッシャー ⇒ 第73.18項
  • 真鍮(銅の含有量50%以上)製のボルト、ナット、ワッシャー ⇒ 第74.15項
  • アルミニウム製のボルト、ナット、ワッシャー ⇒ 第76.16項

 ある機械用に特別に設計されたものであっても、汎用性の部分品に該当する物品の場合は機械の部分品としては分類されず、汎用性の部分品としてその材質により分類されます。

【参考】第16部注1

この部には、次の物品を含まない。

(g)第 15 部の注2の卑金属製の汎用性の部分品(第 15 部参照)及びプラスチック製のこれに類する物品(第 39 類参照)

第16部注1

「汎用性の部分品」の定義(第15部注2)

 ここで「汎用性の部分品」とはどのようなものでしょうか。第15部注2には以下のように規定されています。

この表において「汎用性の部分品」とは、次の物品をいう。

  1. 第 73.07 項、第 73.12 項、第 73.15 項、第 73.17 項又は第 73.18 項の物品及び非鉄卑金属製のこれらに類する物品
  2. 卑金属製のばね及びばね板(時計用ばね(第 91.14 項参照)を除く。)
  3. 第 83.01 項、第 83.02 項、第 83.08 項又は第 83.10 項の製品並びに第 83.06 項の卑金属製の縁及び鏡
    (以下略)

 上記a.に掲げられているHSコードは鉄鋼製の物品となります。同種の他の卑金属製品(銅製、アルミニウム製等)やプラスチック製の部分品はその材質に従い、それぞれ該当する項に分類されます。上記の物品は具体的には以下の物品となります。

  • 第 73.07 項:管用継手(例えば、カップリング、エルボー及びスリーブ)
  • 第 73.12 項:より線、ロープ、ケーブル、組ひも、スリングその他これらに類する物品(電気絶縁をしたものを除く。)
  • 第 73.15 項:鎖及びその部分品
  • 第 73.17 項:くぎ、びょう、画びょう、波くぎ、またくぎ、その他これらに類する製品
  • 第 73.18 項:ねじ、ボルト、ナット、コーチスクリュー、スクリューフック、リベット、コッター、コッターピン、座金(ばね座金を含む。)その他これらに類する製品

 b.の「ばね及びばね板」はHSコードではなく、品名で規定されていますが、鉄鋼製の「ばね及びばね板」は第73.20項に分類されます。自動車用の鉄鋼製のばねも、第73.20項に分類されます。なお、時計用のばねは、時計の部分品として第91.14項に分類されます。
 c.に掲げられている物品は、具体的には下記のものとなります。

  • 第83.01項:錠(かぎを使用するもの、ダイヤル式のもの及び電気式のものに限る。)並びに留金及び留金付きフレームで、錠と一体のもの並びにこれらのかぎ
  • 第83.02項:帽子掛け、ブラケットその他これらに類する支持具、取付具その他これに類する物品(家具、戸、階段、窓、日よけ、車体、馬具、トランク、衣装箱、小箱その他これらに類する物品に適するものに限る。)、取付具付きキャスター及びドアクローザー
  • 第83.08項:留金、留金付きフレーム、バックル、フック、アイ、アイレットその他これらに類する物品(衣類又は衣類附属品、履物、身辺用細貨類、腕時計、書籍、日よけ、革製品、旅行用具、馬具その他の製品に使用する種類のものに限る。)、管リベット、二股リベット、ビーズ及びスパングル
  • 第83.10項:サインプレート、ネームプレート、アドレスプレートその他これらに類するプレート及び数字、文字その他の標章(第 94.05 項のものを除く。)
  • 第 83.06 項の卑金属製の縁及び鏡

原則2 第16部注1に該当する物品((m)及び(n)を除く。)

 第16部注1に規定する物品は、特定の機械に使用するように製造されたものであっても、第16部には分類されません。
 これらの部分品は、汎用性の部分品と同様に第16部注1で規定されていることから、「原則1」としてまとめても良いのですが、汎用性の部分品は、第17部(自動車等の輸送機器)及び第90類(測定機器・医療用機器等)においても同一の規定がなされている一方、それ以外の物品は異なった規定となっていることから、別途、これらの物品を「原則2」としてまとめたものです。また、第16部注1(m)、(n)で規定されている第90類及び第91類に属する部分品は、第17部(輸送用機器)及び第90類の部分品分類の原則と整合性をとるために、原則3としてまとめています。
 これらの物品に該当するか否かの検討は、原則3の前に行います。
 
 このカテゴリーに属するのは次の物品となります。

  • 伝動用又はコンベヤ用のベルト及びベルチングで、第39 類のプラスチック製のもの及び加硫ゴム製のもの(第40.10 項参照)
  • 機械類、電気機器その他の技術的用途に供する種類の加硫ゴム(硬質ゴムを除く。)製品(第40.16 項参照)
  • 革製品及びコンポジションレザー製品(第42.05 項参照)並びに毛皮製品(第43.03 項参照)で、機械類その他の技術的用途に供する種類のもの
  • ボビン、スプール、コップ、コーン、コア、リールその他これらに類する巻取用品(材料を問わない。例えば、第39 類、第40 類、第44 類、第48 類及び第15 部参照)
  • ジャカードその他これに類する機械に使用するせん孔カード(例えば、第39 類、第48 類及び第15 部参照)
  • 伝動用又はコンベヤ用の紡織用繊維製ベルト又はベルチング(第59.10 項参照)及び技術的用途に供する紡織用繊維製のその他の製品(第59.11 項参照)
  • 第71.02 項から第71.04 項までの天然、合成又は再生の貴石及び半貴石並びに第71.16 項の製品でこれらの貴石又は半貴石のみから成るもの(針用に加工したサファイヤ及びダイヤモンドで、取り付けられていないものを除く(第85.22項参照)。)
  • ドリルパイプ(第73.04項参照)
  • 金属の線又はストリップから製造したエンドレスベルト(第15部参照)
  • 第82類又は第83類の物品
  • 第17部の物品
  • 第82.07項の互換性工具、これに類する互換性工具(作用する部分を構成する材料により、例えば、第40類、第42類、第43類、第45類、第59類、第68.04項又は第69.09項に属する。)
  • 機械の部分品として使用する種類のブラシ(第96.03項参照)
  • 第95類の物品
  • タイプライターリボン又はこれに類するリボン(スプールに巻いてあるかないか又はカートリッジに入れてあるかないかを問わない。インキを付けたもの及びその他の方法により印字することができる状態にしたものは第96.12項に属する。その他のリボンは、その構成する材料により該当する項に属する。)及び第96.20項の一脚、二脚、三脚その他これらに類する物品

第84類から除外される部分品

  第84類注1により、次の機械の部分品も第84類から除外されています。

  • 第68類のミルストーン、グラインドストーンその他の物品
  • 陶磁製のポンプその他の機械類及び機械類(材料を問わない。)の陶磁製の部分品(第69類参照)
  • 理化学用ガラス製品(第70.17項参照)並びに技術的用途に供する機械類及びその部分品(ガラス製のものに限る。第70.19 項及び第70.20 項参照)
  • 第73.21項又は第73.22項の物品及びこれに類する物品で鉄鋼以外の卑金属製のもの(第74 類から第76 類まで及び第78 類から第81 類まで参照)
    (ストーブ、レンジ、炉、セントラルヒーティング用のボイラー等)

第85類から除外される部分品

 第85類注1により、第70.11項の照明器具用のガラス製バブル、チューブが第85類から除外されています。

原則3 84類、85類、90類、91類に該当する部分品は当該項に分類

 機械類の部分品のうち、第84類、第85類、第90類又は第91類のいずれかの項に該当する物品は、当該項に分類されます。
 例えば、農業機械用に特別に設計されたディーゼルエンジンは、農業機械の部品ではなく第84.08項のディーゼルエンジンに分類されます。また、エアコンのコンプレッサーに使用するモーターはエアコンの部分品ではなく第85.01項のモーターの項に分類されます。
 このカテゴリーの物品は、第16部注2(a)に定められている物品の他、第90類及び第91類に属する物品が含まれます。

第84類及び第85類の機械機器

 第16部注2(a)では次のように規定されています。

 (第16部の機械類の)部分品は、第 84 類又は第 85 類のいずれかの項(第 84.09 項、第 84.31 項、第 84.48項、第 84.66 項、第 84.73 項、第 84.87 項、第 85.03 項、第 85.22 項、第 85.29 項、第 85.38項及び第 85.48 項を除く。)に該当する場合には、当該いずれかの項に属する。

 これらの物品には次のようなものがあります。

  • ポンプ及び気体圧縮機(84.13 及び 84.14)
  • ろ過機(84.21)
  • 持上げ用又は荷扱い用の機械(84.25、84.26、84.28 又は 84.86)
  • コック、弁等(84.81)
  • 玉軸受又はころ軸受(84.82)
  • 伝動軸、クランク、軸受箱、滑り軸受、歯車及び歯車伝動機(摩擦車及びギヤボックスその他の変速機を含む。)並びにはずみ車、プーリー、プーリーブロック、クラッチ及び軸継手(84.83)
  • ガスケット及びこれに類するジョイント(84.84)
  • 電動機(85.01)
  • トランスフォーマー及びその他の機器(85.04)
  • バッテリーパックに組み立てられた蓄電池(85.07)
  • 電熱用抵抗体(85.16)
  • コンデンサー(85.32)
  • 電気回路の開閉用、保護用等の電気機器(スイッチ、ヒューズ、接続箱等)(85.35 及び 85.36)
  • 電気制御用又は配電用の盤、パネル、コンソール、机、キャビネット及びその他の機器(85.37)
  • 電球(85.39)
  • 85.40 項の管並びに 85.41 項のダイオード、トランジスター等
  • 電気用炭素製品(例えば、アーク灯用炭素棒、炭素電極及び炭素ブラシ)(85.45)
  • がい子(材料を問わない。)(85.46)
  • 電気機器等の絶縁用物品(85.47)

 上記の注で、「(第 84.09 項(中略)第 85.48 項 を除く。)」とある括弧書きで規定されている項は機械の部分品のみを分類する項で、原則4又は原則5の対象となります。

第90類の測定機器及び第91類の時計等

 第90類に分類される、温度計や気圧計(90.25)、液体又は気体の流量計(90.26)、電力計(90.28)、サーモスタットを初めとする自動調整機器(90.32)等は、それぞれの測定機器が分類される項に属します。
 また、特定の機械に取り付けるために設計された時計や時刻の記録用機器、タイムスイッチは第91類に属します。

原則4 特定の項の機械のみに使用される部分品は当該機械と同じ項に分類

 上記の原則1~3に該当しない場合に、原則4、原則5の順に部分品の分類を行っていきます。
 特定の機械又は同一の項に分類される複数の機械に専ら使用するための部分品は、下記の「特定の機械の部分品のみを分類する項」に分類される場合を除き、当該機械と同じ項に分類されます。
 例えば、第84.03項のセントラルヒーティング用ボイラーの部分品はセントラルヒーティング用ボイラーと同じ84.03項に分類されます。同様に、第85.08項の電気掃除機の部分品は、電気掃除機と同じ第85.08項に分類されます。
 第84.03項や第85.08項には、部分品を分類する号(6桁の細分)が設けられています。また、少数ですが、部分品を分類する号が設けられていない項もありますが、これらの部分品も機械と同じ項に分類されます。

特定の機械又は同一の項の複数の機械(第 84.79 項又は第 85.43項の機械を含む。)に専ら又は主として使用する部分品は、これらの機械の項又は第 84.09 項、第 84.31 項、第 84.48 項、第 84.66 項、第 84.73 項、第 85.03 項、第 85.22 項、第 85.29 項若しくは第 85.38 項のうち該当する項に属する。

第16部注2(b)前段

特定の機械の部分品のみを分類する項に属する場合は当該項に分類する

 上記の第16部注2(b)中の「第 84.09 項、第 84.31 項、・・・・」以下の内容については、若干の補足が必要です。ここに掲げられている項は、下記の様に何れも特定の機械機器の部分品のみを分類する項です。以下に掲げた機械機器の部分品は機械と同一の項ではなく、当該機械機器の部分品を分類する項に分類します。
 従って、 第84.07項のガソリンエンジンの部分品は、第84.07項ではなく第84.09項に分類されます。

  1. 84.09:84.07 項又は 84.08 項のエンジンの部分品
  2. 84.31:84.25 項から 84.30 項までの荷役機械・土木建設用機械等の部分品
  3. 84.48:84.44 項から 84.47 項までの繊維用機械の部分品
  4. 84.66:84.56 項から 84.65 項までの工作機械等の部分品
  5. 84.73:84.70 項から 84.72 項までの事務用機器の部分品
  6. 85.03:85.01 項又は 85.02 項の電動機及び発電機の部分品(85.03)
  7. 85.22:85.19 項又は 85.21 項の音声及びビデオの記録用又は再生用機器の部分品
  8. 85.29:85.25 項から 85.28 項までのラジオ、テレビ、無線用機器等の部分品
  9. 85.38:85.35 項から 85.37 項までの電気回路用機器、配電盤等の部分品

機械の筐体も本原則の適用となる

 機械の筐体(機械や電気機器などを中に収めた箱、容器)も本原則の適用となり、機械の部分品として分類されることとなります。

機械の部分品にも通則2(a)(未完の完成品)が適用される

 機械の部分品としてそのまま利用できない物品でも、凡その機械の部分品としての形を有しており、研磨工程等の簡単な加工で機械の部分品として使用できる物品については通則2(a)(未完の完成品)の規定が適用され、機械の部分品として分類されます。
 例えば、機械の部分品として鍛造された鉄鋼製品は、研磨工程等の簡単な加工の後そのまま機械の部分品として使用できるものは、鉄鋼の鍛造製品として第73.26項に分類されず、機械の部分品として機械と同じ項又は機械の部分品を分類する項に分類されることとなります。
 EPA(FTA)の原産地証明を行う際に、通則2(a)を適用して機械の部分品として分類すべき鉄鋼製品を第73.26項等に分類している事例もありますので注意しましょう。このような場合、輸入国税関からの事後確認(検認)が行われた際にはEPA(FTA)の特恵税率が否認される恐れがあります。

有線又は無線通信機器等に共通して使用される部分品は第85.17項に分類

 上記の分類の原則の例外として、電話機、有線又は無線通信機器等に共通して主として使用される部分品は全て第85.17項に分類されます。

 ただし、第 85.17 項の物品及び第 85.25 項から第 85.28 項までのいずれかの項の物品に共通して主として使用する部分品は、第 85.17項に属する。

第16部注2(b)後段

 第 85.17 項の物品及び第 85.25 項から第 85.28 項には次の物品が分類されます。

  • 第85.17項:電話機(携帯回線網用その他の無線回線網用の電話を含む。)及びその他の機器(音声、画像その他のデータを送受信するものに限るものとし、有線又は無線回線網(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN))用の通信機器を含む。)(第 84.43 項、第 85.25 項、第 85.27 項及び第 85.28 項の送受信機器を除く。)
  • 第85.25項:ラジオ放送用又はテレビジョン用の送信機器(受信機器、録音装置又は音声再生装置を自蔵するかしないかを問わない。)、テレビジョンカメラ、デジタルカメラ及びビデオカメラレコーダー
  • 第85.26項:レーダー、航行用無線機器及び無線遠隔制御機器
  • 第85.27項:ラジオ放送用の受信機器(同一のハウジングにおいて音声の記録用若しくは再生用の機器又は時計と結合してあるかないかを問わない。)
  • 第85.28項:モニター及びプロジェクター(テレビジョン受像機器を有しないものに限る。)並びにテレビジョン受像機器(ラジオ放送用受信機又は音声若しくはビデオの記録用若しくは再生用の装置を自蔵するかしないかを問わない。)

機械の部分品の材質によるHSコードの相違

第16部の物品を除外している類に属する材質からなる部分品のHSコード

 下記の物品については、それぞれの部注又は類注により第16部の物品が除外される旨規定されています。従って、これらの材質により制作された機械類の部分品は、本原則により第16部の部分品を分類する項に属することとなります。但し、原則1~原則3により分類される物品は除きます。

  • 第39類:プラスチック製品
  • 第40類:硬質ゴム製のもの
  • 第44類:木材製品
  • 第71類:天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張った金属の製品。但し、全部が天然、合成又は再生の貴石又は半貴石であるものは、第71類に分類される。
    (針用に加工したサファイヤ及びダイヤモンド(取り付けられていないものに限る)は第85.22項に分類される。)
  • 第15部:卑金属製品

第16部の物品を除外していない類に属する材質からなる部分品のHSコード

 第40類(加硫していないゴム製品)、第45類(コルク製品)、第48類(紙製品)、第11部(紡織用繊維製品)、第68部(石、セメント、石綿製品)、第69類(陶磁器製品)、第70類(ガラス製品)については、下記の物品を除き第16部の物品を除外する規定がありません。従って、これらの材質で製作された機械の部分品は、どちらにも分類される可能性があり、他に特別な規定がない限り、通則3(a)により、分類が決定されることとなります。(「例外」参照)
 下記の物品は、原則として第16部に分類されます。

  • 第68類:第 84.42 項のリソグラフィックストーン;がい子(第 85.46 項参照)及び第 85.47 項の電気絶縁用物品
  • 第69類:がい子(第 85.46 項参照)及び第 85.47 項の電気絶縁用物品
  • 第70類:第 85.44 項の光ファイバーケーブル、がい子(第 85.46 項参照)及び第 85.47 項の電気絶縁用物品

原則5 2以上の項の機械に使用する部分品は、第 84.87 項、第 85.48 項等に分類

 2以上の項の機械に使用される部分品は、原則4に掲げた特定の部分品のみを分類する項(第 84.09 項、第 84.31 項、第 84.48 項、第 84.66 項、第 84.73 項、第85.03 項、第 85.22 項、第 85.29 項又は第 85.38 項)に該当する場合は当該項に分類されます。例えば、第84.57項の金属加工用のマシニングセンサーと第84.58項の旋盤の両方に使用する部分品は、第84.66項に分類されます。
 2以上の機械に使用する部分品のうち、これら特定の部分品のみを分類する項に該当しない場合は、第 84.87 項又は第 85.48 項に属します。第 84.87 項は、他に該当する項が無い機械類の部分品を分類する項であり、又、第 85.48 項は他に該当する項の無い電気式部分品を分類する項となります。

 その他の部分品は、第 84.09 項、第 84.31 項、第 84.48 項、第 84.66 項、第 84.73 項、第85.03 項、第 85.22 項、第 85.29 項又は第 85.38 項のうち該当する項に属する。この場合において、該当する項がない場合には、第 84.87 項又は第 85.48 項に属する。

第16部注2(ⅽ)

例外 通則3(a)に該当する物品

 第16部の物品を明確に除外していない類に属する材質からなる部分品は、通則3(a)が適用され機械の部分品として分類されない場合があります。この場合は、「XXXの機械の部分品」よりも、特殊な限定をしているしていると判断され、他の類の物品として分類されることがあります。
 このような物品には例えば次のようなものがあります。また、第16部の各項の関税率表解説には、この通則3(a)の規定により機械の部分品として分類されない物品が多数記載されていますので、関税率表解説の規定も参考にしていただければと思います。

  • 農業用機械のゴム製のタイヤ(第40類)

番外 第84部~第91部の機器の部分品と特定できない物品の分類

 第84部~第91部の機器の部分品と特定できない物品は通常、当該物品の材質、形状等により分類します。
 例えば次のような物品は、機器の部分品であるとは特定できませんので、それらの物品の材質等に従い分類します。

  • 長方形(正方形を含む。)に切断し、それ以上の加工が行われていない鉄鋼製の板 ⇒ 第72類
    (第72類注1(k)が適用される。機械の部分品の形状に切断されたものは、機械の部分品として分類される可能性がある。)
  • 両端を単に切断しただけの棒鋼、型鋼 ⇒ 第72類
  • 両端を単位切断しただけの鉄鋼製の管 ⇒ 第73類
  • 用途を特定でいないシリコンゴム製のチューブ ⇒ 第39類

プラスチック・ゴム製の部分品の分類(まとめ)

 第16部の機械類及び86類から88類までの車両及び航空機のプラスチック製又はゴム製の部分品の分類についてまとめましたので参考にして頂ければと考えます。
 この表中で、「第7部に分類されるもの」の欄中「部注・類注」と掲げてあるものは、原則1及び原則2により第16部又は第17部から除外されるもの、更にその列の項目の中で、「他の類の物品に使用する部分品と特定できないもの」は、番外に相当します。また、「通則3(a)」の列は、上記の例外に相当します。

部分品の部分品も本原則に従い分類する

 部分品の部分品についても、本原則に従い分類していきます。
 例えば、農業用機械に使用するディーゼルエンジンは、原則3に従い第84.08項に分類されますが、そのエンジンの部分品もまた、本5原則に従い分類していきます。

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