機械の対比表の流用に注意

 HSコードは、輸入国によって異なることがあります。
 機械の場合、本体の機械のHSコードがA国とB国で異なる場合、この機械の部分品のHSコードは影響を受けるのでしょうか。
 また、A国向けの輸出で特定原産地証明書の取得の際に作成した対比表をB国向けの特定原産地証明書取得のための資料としてそのまま利用できるでしょうか。

機械の部分品は機械類の部分品HSコード分類5原則に従い附番

 機械類の部分品のHSコードは、機械類の部分品HSコード分類5原則に従い附番していきます。
 その際、原則1から原則3及び原則5に従い附番を行う部分品は本体のHSコードとは関係ありませんので、本体のHSコードの影響を受けることはありません。
 しかし、原則4に従い附番を行う部分品は本体のHSコードの影響を受けることとなります。

原則4 第16部注2(c)に該当する部分品は本体のHSコードに従い附番

 第16部注2(c)では、特定の項の機械のみに使用される部分品は当該機械と同じ項に分類に分類することとなっています。したがって、これらの部分品のHSコードは、原則として本体のHSコードと同じ項に分類することとなっています。
 仮定の話ですが、家庭で使用するには大きいが、業務用として使用するには小さい果汁搾り器があったとします。A国の税関では業務用と判断して第8435.10号に、B国の税関では家庭用として第8509.40号に分類したとします。この場合、筐体を含めたこの果汁搾り器の部分品のHSコードは、対比表にどのように記載したらよいのでしょうか。
 各国の税関も、部分品は第16部注2(c)の規定に従い分類を行うこととなります。従って、本体のHSコードが異なれば部分品のHSコードも異なることとなります。この果汁搾り器の部分品のHSコードは、A国では第8435.90号に、B国では第8509.90号に分類されることとなります。
 なお、原則1から3及び原則5に従い分類を行う部分品は本体のHSコードの影響を受けません。この果汁搾り器に使用しているモータはいずれの場合も第85.01項となります。

対比表は輸入国のHSコードに合わせて作成する

 機械の場合、部分品は原則として本体と同じ項(HSコード4桁)に分類することとなっていますので、税関の判断が異なれば輸入国の判断に合わせて対比表に記載する部分品のHSコードを変更する必要があります。
 上記の果汁搾り器の場合、A国向け輸出の原産地判定取得のために作成した対比表を流用して、原産地判定を取得することは間違いのもととなります。本体のHSコードだけではなく、部分品も輸入国の判断に従ってHSコードを附番して対比表を作成する必要があります。くれぐれもご注意ください。

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