RCEPの原産地規則と原産地表示

 インターネット上で、「RCEP 原産地規則」と検索すると、RCEPの原産地規則規則により、あたかも中国製のものも日本製となってしまう、というような記事を掲載しているサイトがみられます。RCEP協定の原産地規則「第3・4条累積」の規定では、「第三・二条(原産品)に定める原産品の要件を満たす産品又は材料であって、他の締約国において他の産品又は材料の生産において材料として使用されるものについては、完成した産品又は材料のための作業又は加工が行われた当該他の締約国の原産材料とみなす。」と規定されていることから、日本産には、中国産も韓国産も含まれてしまうのではないかということです。
 しかし、この記事には、大きな誤解があります。

RCEPの原産地規則と原産地表示の規則は全く別物

 このような記事の間違いのもとは、EPA(経済連携協定、FTAとも呼ばれる。)の中の、締約国に関する関税の優遇税率を適用するためのルールと、原産地表示のためのルールを勘違いしていることです。
 RCEPの第3章の原産地規則はあくまでもRCEP協定で約束した優遇税率を適用するために、輸出国で行われる生産についての条件を定めたものです。このうち、この「累積」の規定は、RCEP協定の締約国の仲間内での生産についても、輸出締約国での生産とみなして条件を緩めましょう、という規定です。原産地表示とは何の関係もありません。

RCEPの原産地規則と原産地表示を混同すると大変なことに

 税関でも、輸入品の原産地表示の取締りを行っています。
 輸入品の原産地表示については、関税法施行令第4条の2及び関税法施行規則第1条の6で定められた規則により判断されます。完全に輸出国で生産された産品か、HSコード4桁(項)の変更が行われた国が原産地となります。
 この点を十分に理解しないで、ベトナムからの輸入で、RCEPの原産地規則で「ベトナム産」となるからといって、十分に原産地表示の規則を調査せずに安易に「ベトナム製」と表示をしたところ、実は原産地表示の原産地規則では、「中国産」だったということも生じえます。
 原産地を偽った表示や誤認を与える表示のある貨物は輸入許可されませんので注意が必要です。

輸出時の一般原産地証明書の取得時にも注意が必要

 長年貿易に携わっておられる方でも勘違いされている方がおり、日本商工会議所からEPAの特定原産地証明書をもらっていたので、安心して、日本産として東京商工会議所に一般の原産地証明書を取得していたところ、実は、一般の原産地証明書の認定基準では、日本産ではなかったという事故も発生しています。本ホームページの「原産地を巡る誤解と原産地虚偽表示」にて、注意喚起を行っていますが、関税の世界で中国製としてRCEPの優遇税率で通関できること、即ち、日本商工会議所で特定原産地証明書を取得できることと、地方の商工会議所で一般原産地証明書を取得できることとは全く別ですので、ご注意ください。

原産地表示には、公正競争規約等の規則がある

 国内流通の原産地表示については、公正競争規約加工食品の原産地表示等、商品によって規則が定められているものもあります。
 RCEP協定によって、これらの国内規制に影響はありません。

EPA/FTA原産地証明のコンサルティング

コンサルティング
*原産地証明書の根拠資料の作成方法が分からない。
*JETROや商工会議所に相談したが、原材料のHSコードが分からない。
*輸入国税関から問い合わせが来たが、どのように対応したらよいかわからない。

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