生産に直接使用された材料が全て原産材料である場合、「原産材料のみから生産される産品」としてEPAの原産地基準を満たすことになります。
 非特恵原産地規則や一般特恵関税の原産地規則には「原産材料のみから生産される産品」の規定はないので注意しましょう。

「原産材料のみから生産される産品」と「完全生産品」の違い

  「原産材料」とは、EPAの締約国で生産され、加工されて、EPA協定の原産地基準を満たすことを証明することができた原材料を言います。
 「完全生産品」は生産に使用される原料が全て完全生産品でなくてはなりませんが、「原産材料のみから生産される産品」は、生産に使用される原料は完全生産品に限らず原産材料でも使用可能です。

「原産材料のみから生産される産品」の例

 「原産材料のみから生産される産品」としてEPAを適用する場合には、直接使用する原材料が全て「原産材料」であることを証明しなければならず、大変な場合が多いので、通常、なるべく使用するのを避けたい基準です。
 但し、産品が品目別原産地規則を満たさない場合、この「原産材料のみから生産される産品」として原産地基準を満たすことを証明できる場合があるので、そういった場合に重宝する規則です。

(例1)日本で製造されたひまわり油と大豆油から製造した調合サラダ油(CPTPP)

  • 調合サラダ油(1517.90号)の品目別規則は類変更であるので、ひまわり油及び大豆油からの製造では品目別規則を満たさない。
  • ひまわり油、大豆油の品目別原産地規則は類変更である。
  • 下記の工程ではひまわり油及び大豆油ともに日本で12類から15類への変更が行われているので、日本原産品となる。下記の調合サラダ油は日本の原産品のみを原料と使用しているので「原産材料のみから生産される産品」となる。

(例2)人造繊維の長繊維のモノフィラメント(日EU・EPA)

 日EU・EPAのHS第54.02項から第54.05項までの人造繊維の長繊維の糸の品目別原産地規則は、「①天然繊維の紡績、②人造繊維の押出しと紡績との組合せ、又は、③ねん糸と機械による作業との組合せ」となっています。通常の糸は、何本かの単繊維を撚ることにより糸にするのでこの基準を満たすことはそれ程難しくないと思われます。しかし、人造繊維のモノフィラメント(単繊維)の場合は、①、②の紡績を行うことはありませんし、③の撚糸を行うこともありません。従って、人造繊維のモノフィラメントの製造では品目別原産地規則を満たすことはできません。
 この場合、もしモノフィラメントの原材料である全ての合成高分子等が原産品であることを証明することが出来れば、「原産材料のみから生産される産品」として原産地規則を満たすことが出来ます。

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