第5部「鉱物性生産品」、第6部「化学工業の生産品」及び「第7部プラスチック、ゴム及びこれらの生産品」は、しばしば化学品関係のグループとして纏められることがあります。これらのHSコードについて解説していきます。
 化学品関係のHS分類は、化学についての専門知識がないと中々分かりずらい分野です。しかし、特に第28類の無機化学品、第29類の有機化学品については系統だった分類体系となっており、また、HSの前身のCCCN(関税協力理事会品目表)の時代から60年以上の議論の蓄積もあり、比較的、各国の間で分類相違の少ない分野であるといえるでしょう。

目次

第5部 鉱物性生産品

 第5部は下記の3つの類からなっています。

第25類 塩、硫黄、土石類、プラスター、石灰及びセメント

 第25類には、原則として粗のもの、洗ったもの、破砕し、粉砕し、粉状にし又はふるい分けたもの及び浮遊選鉱、磁気選鉱その他の機械的又は物理的な方法により選鉱したものが分類されます。また、水分若しくは不純物の除去又はその他の目的のため、熱処理されていてもよいこととなっています。
 ただし、これらの工程で化学構造の変化が生じたものや、結晶法により選鉱したもの及び焙焼、溶融又はか焼等の熱処理が施されていているものは除外され、第28類や第68類等に分類されます。 

焙焼、溶融又はか焼等の熱処理を行われた物品を含む項

 第25.07項、第25.08項、第25.11項の粘土類及び重晶石は「焼いてあるかないかを問わない。」とされているので、焼いてあってもこれらの項に属します。
 第25.13項、第25.17項のコランダム、ガーネット、小石、砂利等は熱処理してあっても、これらの項に属します。
 第25.18項のドロマイトは、「焼いてあるか焼結してあるかを問わない。」とされていますので、これらの熱処理をしてあっても第25.18項に属します。
 第25.19項の溶融マグネシア及び焼結マグネシアはこれらの熱処理を行ったものも、第25.19項に分類されます。

第25類に分類される化学的に単一な化合物

 第28類注3(a)で「第5部の塩化ナトリウム、酸化マグネシウム(純粋であるかないかを問わない。)その他の物品」が第28類から除外されている旨規定されています。
 従って、第25.01項の塩化ナトリウム、第25.19項の酸化マグネシウムは化学的に単一な化合物であっても第28類ではなく、これらの項に分類されます。
 また、第25.03項には、第28.02項の昇華硫黄、沈降硫黄及びコロイド硫黄以外の全ての形態の硫黄(例えば精製硫黄)が分類されます。

第26類 鉱石、スラグ及び灰

 第26.01項から第26.17項までには金属鉱(精鉱を含む。)が分類されます。
 第26.18項から第26.20項までには、鉄鋼製造の際に生じるスラグや鉱石若しくは金属製錬中間生産物(例えば、マット)の処理、又は電解法、化学的方法その他の機械加工を伴わない金属の処理工程において生ずる物品が含まれます。

第27類 石炭、石油、石油ガス、アスファルト

第6部 化学工業(類似の工業を含む。)の生産品

 第6部は下記の11の類からなっています。

第30類 医療用品

第31類 肥料

 第31類には肥料が分類されます。

第31類に分類される化学的に単一な化合物

 化学的に単一な化合物であっても、下記の物品は第28類又は第29類には分類されず、第31類に分類されます。

  • 第31.02項に分類される化合物(窒素肥料)
    硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムと硝酸アンモニウムとの複塩、硫酸アンモニウム、硝酸カルシウムと硝酸アンモニウムとの複塩、硝酸カルシウムと硝酸マグネシウムとの複塩、カルシウムシアナミド、尿素
  • 第30.04項に分類される化合物(カリ肥料)
    塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムカリウム
  • 第31.05項に分類される化合物(肥料成分(窒素、りん及びカリウム)のうち二以上を含有する肥料)
    オルトりん酸二水素アンモニウム(りん酸一アンモニウム)及びオルトりん酸水素二アンモニウム(りん酸二アンモニウム)

第32類 なめし剤、染料、顔料、ペイント、パテ、インキ

第33類 精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類

第34類 石鹸、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤、ロウ

第35類 たんぱく系物質、変性でん粉、膠(こう)着剤及び酵素

第36類 火薬類、火工品、マッチ、発火性合金及び調製燃料

 第36類には、火薬及び爆薬が含まれます。これらは、通常みずからの燃焼に必要な酸素を含有すること及び燃焼に際し高温で膨大な容量のガスを発生することを特徴とする混合物です。
 また、花火、発煙筒、ライター、フェロセリウム等の発火性合金もこの類に含まれます。

第37類 写真用又は映画用の材料

 第37類には、写真用又は映画用の物品が分類されます。しかし、第37類注2には次のように規定されて「写真用」にはかなり広範囲の物品が含まれます。

 この類において「写真用」とは、光又はその他の放射線の作用により、感光性(感熱性を含む。)を有する表面に直接又は間接に可視像を形成するために使用することをいう。

 この類の写真用のプレート、フィルム等は、可視光ばかりではなく、ガンマー線、X線、紫外線及び近赤外線及び粒子(核)放射線に対して感受性を有する乳剤の層を一以上有するものとされています。
 第3907.90号には、フォトリソグラフィによる半導体材料の製造に使用される感光性プラスチック樹脂溶液(「フォトレジスト(photoresists)」が含まれることとなっています。

第38類 各種の化学工業生産品

第7部 プラスチック及びゴム並びにこれらの製品

 第7部は次の2つの類からなっています。詳しくは、それぞれの解説記事をご参照ください。

EU化学品HSコードデータベース(ECICS)

 EU化学品HSコードデータベース(ECICS )は、欧州委員会 税制・関税同盟総局が運営する化学品のHSコード(EUの8桁の番号)を検索できるサイトです。HSコードの上6桁は世...

続きを読む

石炭、石油、ガスのHSコード第27類

 石炭、石炭ガス、石油、天然ガス、石油ガス、石油アスファルト、天然アスファルト等の鉱物性燃料は第27類に分類されます。 第29類の炭化水素、第34類及び第38類の石油を含む調製品...

続きを読む

無機化学品のHSコード第28類

周期律表 HS番号入り

 HS品目表の第28類には、①無機化学品、②貴金属、希土類金属、水銀の無機又は有機の化合物、及び、③放射性元素又は同位元素の無機又は有機の化合物が分類されます。目次...

続きを読む

有機化学品のHSコード第29類

 HS品目表第29類の第29.01項から第29.04項までには炭化水素及びそのハロゲン化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体が分類されます。第29.05項...

続きを読む

医薬品・医療用品のHSコード第30類

 HSコードの第30類には、医薬品、医療用の動物性生産品、血液、ガーゼ、包帯その他の医療用物品が含まれます。この類に含まれない注射器や各種医療用機器は第90類に分類されます。...

続きを読む

染料、顔料、ペイントのHSコード第32類

 第32類には、なめしエキス、染色エキス、タンニン及びその誘導体、染料、顔料その他の着色料、ペイント、ワニス、パテその他のマスチック並びにインキ等が分類されます。目次...

続きを読む

香料、化粧品等のHSコード第33類

 HSコードの第33類には、精油、香料、化粧品、口腔用の衛生用品が分類されます。目次第33.01項 精油・レジノイド等第33.02項 香気性物質の混合物及び香気性...

続きを読む

石鹸、洗剤、潤滑剤、ワックスのHSコード第34類

 HS品目表の第34類には、せっけん、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤、人造ろう、調製ろう、磨き剤、ろうそくその他これに類する物品、モデリングペースト、歯科用ワックス及びプラスタ...

続きを読む

たんぱく質系物質、加工でん粉、接着剤のHSコード第35類

HSコードの第35類には、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、へプトン等のたんぱく質系の物品、デキストリン等の変性でん粉、接着剤及び酵素が分類されます。目次第35....

続きを読む

各種の化学工業生産品 HSコード38類

 第38類には、第28類から第37類までに分類されない各種の化学品が分類されます。 第38.02項から第38.07項までには、木材から得られる各種の化学品が分類されます。 第38...

続きを読む

プラスチック・重合体のHSコード第39類

ぷらしちっく製品製造用のセット

続きを読む

ゴム及びゴム製品のHSコード第40類

 HSコードの第40類にはゴム及びゴム製品が分類されます。第40類には天然ゴム及び合成ゴムが分類されますが、シリコンゴム等、「・・・ゴム」と称されている合成重合体の中には、第40...

続きを読む

日EU-EPA/TPP11の原産品申告書作成のアドバイス

コンサルティング
日EU・EPAやTPP11の原産品申告書の作成についてついてお困りではありませんか?
これまでの日本商工会議所が発給する特定原産地証明書と異なり、日EU・EPAやTPP11の原産品申告書では、第三者によるチェックがありません。
簡単に作成できますが誤った原産品申告書の作成した場合は、損害賠償のリスクや顧客からの信用失墜など大きなリスクがあります。
原産品申告書の作成に必要な根拠資料の作成から輸入国税関の調査に備えた書類の保存迄、初歩から丁寧にアドバイスいたします。
作業に着手するまでのご相談は無料です。お気軽にお問合せください。