HSコードの第35類には、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、へプトン等のたんぱく質系の物品、デキストリン等の変性でん粉、接着剤及び酵素が分類されます。

目次

  1. 第35.01項 カゼイン、カゼイン誘導体、カゼイングルー
  2. 第35.02項 アルブミン及びアルブミン誘導体
  3. 第35.03項 ゼラチン、ゼラチン誘導体及びにかわ
  4. 第35.04項 ペプトン、その他のたんぱく質系物質及びそれらの誘導体、皮粉
  5. 第35.05項 デキストリンその他の変性でん粉
  6. 第35.06項 接着剤
  7. 第35.07項 酵素及び調製した酵素

第35.01項 カゼイン、カゼイン誘導体、カゼイングルー

 本項には、次の物品が含まれます。

カゼイン及びその誘導体                                                                                                      

 カゼインは、牛乳のタンパク質成分で、通常、酸又はレンネットによりスキムミルクを凝結(カード)させて作られます。
 カゼイナートはカゼインの塩で、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩等があります。
 その他のカゼインの誘導体としては、塩素化カゼイン、臭素化カゼイン、よう素化カゼイン、タンニン酸カゼイン等があります。

カゼイングルー

 カゼインのカルシウム塩又はカゼインと石灰の混合物にホウ砂、塩化アンモニウム等の防腐剤や添加材を加えたもので、通常は粉末状のものです。古くから木材用接着剤として使用されています。

第35.01項に分類されない物品

 本項には、大豆等の植物から得られるカゼインと呼ばれる物品は分類されません。(通常、35.04)
 その他、次のような物品も分類されません。

  • 小売用の包装にしたカゼイングルーで、正味重量が1キログラム以下のも(35.06)
  • 硬化カゼイン(変性させた天然の合成高分子として、39.13)

35.02項 アルブミン及びアルブミン誘導体

 アルブミンは動物性又は植物性のタンパク質です。
 アルブミンには、卵白(ovalbumin)、血清アルブミン(serum albumin)、ラクトアルブミン(lact albumin)及び魚アルブミン(fish albumin)等があります。
 主な乳タンパク質のHSコードを整理すると下記の通りとなります。

 アルブミンの鉄塩、臭素化アルブミン、よう素化アルブミン及びタンニン酸アルブミン等のアルブミンの塩及び誘導体も本項に含まれます。
 本項には、治療用又は予防用に調製した血液アルブミン及び人血漿(30類)は分類されません。

第35.03項 ゼラチン、ゼラチン誘導体及びにかわ

 ゼラチン及びにかわは、水溶性たんぱく質で、皮、軟骨、骨、腱その他これに類する動物性の物質を処理して得られます。

ゼラチン

 ゼラチンは、通常薄い透明なほとんど無色無臭のシート状になっています。スラブ、板、シート、フレーク、粉等の形でも流通しています。
 ゼラチンのシートは、長方形(正方形を含む。)のものに限りこの項に分類されます。長方形(正方形を含む。)以外の形状に切ったもの(例えば、円形)は96.02項に分類されます。また、硬化してないゼラチンの成型品(例えば薬用のカプセル)、彫刻品及び細工品も96.02項に分類されます。

ゼラチン誘導体

 本項に分類されるゼラチン誘導体には、タンニン酸ゼラチン及びブロムタンニン酸ゼラチン等があります。
 硬化ゼラチンは天然高分子の誘導体として第39.13項に分類されます。

アイシングラス

 アイシングラスは、魚の浮袋を原料として抽出されたゼラチンです。
 ビール、ワインその他のアルコール飲料の清澄剤として利用されるそうです。

その他のにかわ

 本項には動物性のにかわのみが分類されます。
 にかわは接着剤のほか、墨や岩絵の具などの保護コロイドとして利用されます。
 にかわをもととした接着剤で、正味重量が1kg以下の重量の小売包装にした接着剤は第35.06項に分類されます。

第35.04項 ペプトン、その他のたんぱく質系物質及びそれらの誘導体、皮粉

 本項には次の物品が分類されます。

へプトン

 ペプトンは、天然のたんぱく質を加水分解又はある種の酵素の作用により処理して得た可溶性の物質です。へプトンからさらに分解が進みアミノ酸混合物とみなされる物品は他の項に分類されます(21.06等)
 本項には、ペプネート呼ばれるペプトンの誘導体も含まれます。

その他のたんぱく質系物質及びその誘導体

 植物性のたんぱく系物質は第35.01項から第35.03項までには分類されませんので、本項に分類されることとなります。
 本項に分類されるたんぱく系物質には次のような物があります。

  • グルテリン:穀物の種子のたんぱく質
  • プロラミン:イネ科の植物の種子の胚乳に含まれているたんぱく質
  • グロブリン:肝臓で作られるたんぱく質
  • グリシニン:大豆たんぱく
  • ケラチン:毛髪、つめ、角、ひづめ、羽根等から得られるたんぱく質
  • 核たんぱく質(nucleoproteids):核酸及びその誘導体と結合したたんぱく質
  • たんぱく質分離物:植物性の物質(例えば、脱脂大豆粉)から抽出して得たもの。たんぱく質分離物中のたんぱく質含有量は、通常90%以上

皮粉

 皮粉(ひふん:Hide powder)は、主として牛皮の網状層のコラーゲン線維を精製して粉末にしたもので、植物タンニン分の分析に使用されるものです。
(一般社団法人 日本皮革産業連合会「皮革用語辞典」)
 タンニンの定量には適さない低価値のクロム革のダスト及び粉(41.15)は本項には含まれません。

本項に属さないたんぱく質系物質

 本項には次の物品は含まれません。

  • 主としてアミノ酸と塩化ナトリウムの混合物から成るたんぱく質加水分解物(21.06)
  • 脱脂大豆粉からその特定成分を除去して得た濃縮物で、調製食料品の添加物として使用するもの(21.06)
  • 核酸及びその塩(29.34)
  • 第30類に分類される血液グロブリン等のたんぱく質
  • 本項の物品で、医薬品にしたもの(30.03 又は 30.04)
  • 酵素(35.07)
  • 硬化たんぱく質(39.13)

第35.05項 デキストリンその他の変性でん粉

 本項には、第11類のでん粉を加工した以下の物品が分類されます。

デキストリンその他の変性でん粉

 でん粉はグルコース分子がグリコシド結合により重合した天然高分子化合物です。
 でん粉を酸、熱、酵素等により加水分解していくと最終的にはグルコース(ブドウ糖)になります。
 これらのでん粉の分解物の内、可溶性でん粉とデキストリンが本項に分類されます。
 本項には、エステル化でん粉、エーテル化でん粉、リン酸架橋でん粉等の変性でん粉も含まれます。

 でん粉の分別により得られた単離したアミロペクチン及び単離したアミロースは第39.13項に分類されます。また、デキストリンに類似のデキストラン(スクロースを原料として乳酸菌が生産する天然高分子)や動物でん粉とも呼ばれるグリコーゲンも第39.13項に分類されます。

でん粉、デキストリン等を基とした接着剤

 デキストリングルー、スターチグルーと呼ばれる糊やでん粉エーテル等からなる接着剤は本項に分類されます。
 デキストリン、変性でん粉もととした接着剤で、正味重量が1kg以下の重量の小売包装にした接着剤は第35.06項に分類されます。
 また、でん粉又はデキストリンをもととしたつや出し剤及び仕上げ剤で製紙工業、繊維工業又は皮革工業及びこれらに類する工業において使用する種類の調製品は第38.09項に分類されます。

第35.06項 接着剤

 本項には、接着剤の内、以下の物品が分類されます。

小売用に包装した接着剤

 接着剤として小売用にしたもので正味重量が1キログラム以下の物品は本項に分類されます。
 他の用途にも使用できる形態の物品の分類については、開税率表解説に次のように記載されています。

 粒状のデキストリンやメチルセルロースのように膠(こう)着剤又は接着剤としての用途のほか、他の用途もあわせもつ物品は、膠(こう)着剤又は接着剤として販売しようとしていることを示す表示が包装上にある場合に限り、本項に属する。

エポキシ樹脂接着剤の小売用のセット

 A液(主剤)とB液(硬化剤)を別々のチューブに入れ、接着剤として使用する際に混合するように一緒に小売包装したエポキシ樹脂等の接着剤も、セットとして一まとめにして本項に分類します。これは、第6部注2及び第6部注3又は第7部注1の適用によるものです。通則3(b)の小売用のセットではありませんのでご注意ください。

本項に分類する接着剤

 小売用の包装ではないもの及び正味重量が1キログラムを超える包装をしたもので、他の項に該当しない物品は本項に分類します。
 これらの物品には次のような物があります。

  • グルテングルー(Vienna glues):通常部分発酵により可溶性にしたグルテンから得たもの
  • 天然ガムを化学処理して得た接着剤
  • けい酸塩等をもととした接着剤
  • 接着剤として使用するために特に配合された調製品で、第39類の重合体から成り、かつ、第39 類に該当しない他の物品(例えば、ろう、ロジンエステル、変性させてない天然セラック。)を加えたもの
  • ゴム、有機溶剤、充てん料、加硫剤及び樹脂の混合物から成る接着剤

本項に属さない接着剤

 上記の小売包装した接着剤を除き、次の物品は本項には分類されません。

  • 第356.01項~第35.05項に属する物品
  • とりもち(13.02)
  • 混合していないけい酸塩(28.39)
  • 接着剤として使用するために特に配合された調製品で、第39類の重合体に充てん料、可塑剤、溶剤顔料等を加えたもの(39類)
  • ゴムの分散液又は溶液(40 類)

第35.07項 酵素及び調製した酵素

  酵素には、分子がたんぱく質のみからなるものと、分子がたんぱく質とそれに結合した低分子量の非たんぱく質系化合物からなるものがあります。
 本項には、単離した酵素、酵素濃縮物及び調製した酵素(他の項に該当しないもの)が分類されます。
 下記の物品は本項には分類されません。

  • 酵母(21.02)
  • コカルボキシラーゼ(2936.22)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドコチマーゼ(2934.99))、その他の補酵素(29 類)
    *補酵素:酵素の働きを補助する有機化合物
  • 30.01 項の乾燥した腺その他の物品
  • 30.02 項の培養微生物、血液酵素(例えば、トロンビン)、酵素の特性又は活性を有する血液分画物及びその切断型変異体(部分)
  • 医薬品(30.03 及び 30.04)
  • なめし前処理用の酵素系調製品(32.02)
  • 酵素系の調製浸せき剤、調製洗剤等(34類

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