HS品目表の第16部は、第84類(原子炉、ボイラー及び機械並びにこれらの部分品)及び第85類(電気機器及びその部品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部品及び附属品)の2つの類からなる部です。
第16部は2つの類しか持たないのに、多くのIT機器や工業用機械、家庭用機器、電子部品が分類され、国際貿易に占める割合が多いので、大きな存在感があります。
目次
第84類 機械類及びコンピューター機器
第85類 電気機器
第16部の機器の分類上の注意点
第84類 機械類及びコンピューター機器
HS品目表の第84類は、第84.01項から第84.87項までの86の項からなるHS品目表で最大の類です。(第84.69項は欠番)
この類には、建設機械、工作機械を始めとする産業機械や家庭用の機械、それに電子計算機を始めとする事務用機器も分類されます。このほか、原子炉、ボイラー等の動的な機械部分を有しない機器も分類されます。
機械部分を有せず、電子的な機器であるコンピューター(電子計算機)が第84類に分類されるのを不思議に思われる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、20世紀中ごろの古典的な計算機が機械式であったということを考えると、電子計算機が第84類に分類されているのも不思議ではない気がします。
この類の構成は次のようになっています。
- 85.01:原子炉等
- 84.02~84.24:機器の主たる機能によりHSコードを決定
- 84.24~84.78:機器が使用される産業の種類によりHSコードを決定
- 84.79:この類の他の項に属さない機器を分類
- 84.80:金型等を分類
- 84.81~84.84:機械の部分品として使用する汎用性の物品を分類
- 84.85~84.86:2007年以降のHS改正で新設された項
- 84.87:他の項に属さない電気式ではない部分品を分類
第84類は86の項を有するにも関わらず、節に分かれていないので、その構成を理解するのが難しいと思われます。以下に第84類に分類される物品をもう少し詳しグループ分けをして見ていきたいと思います。
84.01 原子炉、原子炉用核燃料要素等
84.01項には、原子炉、原子炉用核燃料要素(カートリッジ式で未使用のものに限る。)及び同位体分離用機器が分類されます。
84.02~84.05 ボイラー・ボイラー補助機器・ガス発生機
このグループには、各種ボイラー、ガス発生器等が分類されます。
- 84.02:蒸気発生ボイラー(低圧蒸気も発生することができるセントラルヒィーティング用温水ボイラーを除く。)及び過熱水ボイラー
- 84.03:セントラルヒーティング用のボイラー(第 84.02 項のものを除く。)
- 84.04:補助機器(第 84.02 項又は第 84.03 項のボイラー用のものに限る。例えば、エコノマイザー、過熱器、すす除去器及びガス回収器)及び蒸気原動機用復水器
- 84.05 発生炉ガス発生機、水性ガス発生機及びアセチレンガス発生機その他これに類する湿式ガス発生機(清浄機を有するか有しないかを問わない。)
84.06~84.12 タービン、内燃機関(エンジン)、その他の原動機
このグループには、各種タービン及び原動機が分類されます。
- 84.06 蒸気タービン
- 84.07 ピストン式火花点火内燃機関(往復動機関及びロータリーエンジンに限る。)
- 84.08 ピストン式圧縮点火内燃機関(ディーゼルエンジン及びセミディーゼルエンジン)
- 84.09 第 84.07 項又は第 84.08 項のエンジンに専ら又は主として使用する部分品
- 84.10 液体タービン及び水車並びにこれらの調速機
- 84.11 ターボジェット、ターボプロペラその他のガスタービン
- 84.12 その他の原動機
84.13~84.14 液体ポンプ、気体ポンプ、ファン、コンプレッサー
このグループは、液体ポンプ、気体ポンプ、ファン、コンプレッサー等が分類されます。
- 84.13 液体ポンプ(計器付きであるかないかを問わない。)及び液体エレベーター
- 84.14 気体ポンプ、真空ポンプ、気体圧縮機及びファン、換気用又は循環用のフード(ファンを自蔵するものに限るものとし、フィルターを取り付けてあるかないかを問わない。)並びに密閉形の生物学的安全キャビネット(フィルターを取り付けてあるかないかを問わない。)
84.15~84.20 エアーコンディショナー、炉、冷蔵庫、冷却・加熱用機器
このグループには、冷却又は加熱を生じさせる又は冷却加熱により作用する各種機器が分類されます。
- 84.15 エアコンディショナー(動力駆動式ファン並びに温度及び湿度を変化させる機構を有するものに限るものとし、湿度のみを単独で調節することができないものを含む。)
- 84.16 炉用バーナー(液体燃料用、粉砕した固体燃料用又は気体燃料用のものに限る。)及びメカニカルストーカー(機械式火格子、機械式灰排出機その他これらに類する機械を含む。)
- 84.17 炉(焼却炉を含み、工業用又は理化学用のものに限るものとし、電気炉を除く。)
- 84.18 冷蔵庫、冷凍庫その他の冷蔵用又は冷凍用の機器(電気式であるかないかを問わない。)及びヒートポンプ(84.15 項のエアコンディショナーを除く。)
- 84.19 加熱、調理、ばい焼、蒸留、精留、滅菌、殺菌、蒸気加熱、乾燥、蒸発、凝縮、冷却その他の温度変化による方法により材料を処理する機器(理化学用のものを含み、電気加熱式のもの(第 85.14 項の電気炉及びその他の機器を除く。)であるかないかを問わないものとし、家庭用のものを除く。)並びに瞬間湯沸器及び貯蔵式湯沸器(電気式のものを除く。)
84.20~84.24 カレンダー、遠心分離機、洗浄機、重量測定器、噴霧器等
このグループには、機器の主たる機能によりHSコードを決定する上記以外の次の物品が分類されます。
- 84.20 カレンダーその他のロール機(金属用又はガラス用のものを除く。)及びこれらのシリンダー
- 84.21 遠心分離機(遠心式脱水機を含む。)並びに液体又は気体のろ過機及び清浄機
- 84.22 皿洗機、清浄用又は乾燥用の機械(瓶その他の容器に使用するものに限る。)、充てん用、封口用、封止用又はラベル張付け用の機械(瓶、缶、箱、袋その他の容器に使用するものに限る。)、瓶、ジャー、チューブその他これらに類する容器の口金取付け用の機械その他の包装機械(熱収縮包装用機械を含む。)及び飲料用の炭酸ガス注入機
- 84.23 重量測定機器(重量測定式の計数機及び検査機を含むものとし、感量が 50 ミリグラム以内のはかりを除く。)及び分銅
- 84.24 噴射用、散布用又は噴霧用の機器(液体用又は粉用のものに限るものとし、手動式であるかないかを問わない。)、消火器(消火剤を充塡してあるかないかを問わない。)、スプレーガンその他これに類する機器及び蒸気又は砂の吹付け機その他これに類する噴射用機器
84.25~84.31 荷扱用機械、作業用車両、土木・建築・鉱山用重機類
このグループには、荷扱用の機械、作業用車両、土木・建築・鉱山用重機類が該当します。
- 84.25 プーリータックル、ホイスト(スキップホイストを除く。)、ウインチ、キャプスタン及びジャッキ
- 84.26 デリック、クレーン(ケーブルクレーンを含む。)、移動式リフティングフレーム、ストラッドルキャリヤー及びクレーンを装備した作業トラック
- 84.27 フォークリフトトラック及び持上げ用又は荷扱い用の機器を装備したその他の作業トラック
- 84.28 その他の持上げ用、荷扱い用、積込み用又は荷卸し用の機械(例えば、昇降機、エスカレーター、コンベヤ及びロープウェー)
- 84.29 ブルドーザー、アングルドーザー、地ならし機、スクレーパー、メカニカルショベル、エキスカベーター、ショベルローダー、突固め用機械及びロードローラー(自走式のものに限る。)
- 84.30 その他の移動用、地ならし用、削り用、掘削用、突固め用、採掘用又はせん孔用の機械(土壌用、鉱物用又は鉱石用のものに限る。)並びにくい打ち機、くい抜き機及び除雪機
- 84.31 第 84.25 項から第 84.30 項までの機械に専ら又は主として使用する部分品
84.32~84.38 農業用、食品工業用機器
このグループには、農業用又は食品工業に使用する種類の機器が該当します。
- 84.32 農業用、園芸用又は林業用の機械(整地用又は耕作用のものに限る。)及び芝生用又は運動場用のローラ
- 84.33 収穫機及び脱穀機(わら用又は牧草用のベーラーを含む。)、草刈機並びに卵、果実その他の農産物の清浄用、分類用又は格付け用の機械(第 84.37 項の機械を除く。)
- 84.34 搾乳機及び酪農機械
- 84.35 プレス、破砕機その他これらに類する機械(ぶどう酒、りんご酒、果汁その他これらに類する飲料の製造用のものに限る。)
- 84.36 その他の農業用、園芸用、林業用、家きん飼育用又は養蜂(ほう)用の機械(機械装置又は加熱装置を有する発芽用機器を含む。)並びに家きんのふ卵器及び育すう器
- 84.37 種、穀物又は乾燥した豆の清浄用、分類用又は格付け用の機械並びに製粉業用の機械及び穀物又は乾燥した豆の加工機械(農場用のものを除く。)
- 84.38 飲食料品の調製業用又は製造業用の機械(動物性油脂、植物性油脂又は微生物性油脂の抽出用又は調製用の機械及びこの類の他の項に該当するものを除く。)
84.39~84.43 パルプ製造用、製紙用、製本用、印刷用機器
このグループには、パルプ製造用、製紙用、製本用、印刷用の各種機器が該当します。
- 84.39 繊維素繊維を原料とするパルプの製造機械及び紙又は板紙の製造用又は仕上げ用の機械
- 84.40 製本用機械(製本ミシンを含む。)
- 84.41 その他の製紙用パルプ、紙又は板紙の加工機械(切断機を含む。)
- 84.42 プレート、シリンダーその他の印刷用コンポーネントの調製用又は製造用の機器(第84.56 項から第 84.65 項までの機械を除く。)、プレート、シリンダーその他の印刷用コンポーネント並びに印刷用に平削りし、砂目にし、研磨し又はその他の調製をしたプレート、シリンダー及びリソグラフィックストーン
- 84.43 印刷機(第 84.42 項のプレート、シリンダーその他の印刷用コンポーネントにより印刷に使用するもの)、その他のプリンター、複写機及びファクシミリ(結合してあるかないかを問わない。)並びに部分品及び附属品
84.44~84.53 繊維工業用、皮革工業用機器、洗濯機及びミシン
このグループには、繊維工業用、皮革工業用の各種機器、洗濯機及びミシンが含まれる。
- 84.44 人造繊維用の紡糸機、延伸機、テクスチャード加工機及び切断機
- 84.45 紡績準備機械並びに精紡機、合糸機、ねん糸機その他の紡織用繊維の糸の製造機械並びにかせ機、糸巻機(よこ糸巻機を含む。)及び第 84.46 項又は第 84.47 項の機械に使用する紡織用繊維の糸を準備する機械
- 84.46 織機
- 84.47 編機、ステッチボンディングマシン、タフティング用機械式及びジンプヤーン、チュール、レース、ししゅう布、トリミング、組ひも又は網の製造機械
- 84.48 第 84.44 項から第 84.47 項までの機械の補助機械(例えば、ドビー、ジャカード、自動停止装置及びシャットル交換機)並びに第 84.44 項からこの項までの機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品(例えば、スピンドル、スピンドルフライヤー、針布、コーム、紡糸口金、シャットル、ヘルド、ヘルドフレーム及びメリヤス針)
- 84.49 フェルト又は不織布(成形したものを含む。)の製造用又は仕上げ用の機械(フェルト帽子の製造機械を含む。)及び帽子の製造用の型
- 84.50 家庭用又は営業用の洗濯機(脱水機兼用のものを含む。)
- 84.51 洗浄用、清浄用、絞り用、乾燥用、アイロンがけ用、プレス(フュージングプレスを含む。)用、漂白用、染色用、仕上げ用、塗布用又は染み込ませ用の機械(紡織用繊維の糸、織物類又は製品に使用するものに限るものとし、第 84.50 項の機械を除く。)、織物類その他の支持物にペーストを被覆する機械(リノリウムその他の床用敷物の製造用のものに限る。)及び紡織用繊維の織物類の巻取り用、巻戻し用、折畳み用、切断用又はピンキング用の機械
- 84.52 ミシン(第 84.40 項の製本ミシンを除く。)ミシン針並びにミシン用に特に設計した家具、台及びカバー
- 84.53 原皮、毛皮又は革の前処理用機械、なめし用機械及び加工機械並びに毛皮製又は革製の履物その他の製品の製造用又は処理用の機械(ミシンを除く。)
84.54~84.68 金属加工用機器、鉱物加工機、木工機械、溶接用機械
このグループには、各種工作機械(金属加工用機器、鉱物加工機、木工機械)及び溶接用機械等が含まれる。
- 84.54 転炉、取鍋(べ)、インゴット用鋳型及び鋳造機(冶(や)金又は金属鋳造に使用する種類のものに限る。)
- 84.55 金属圧延機及びそのロール
- 84.56 レーザーその他の光子ビーム、超音波、放電、電気化学的方法、電子ビーム、イオンビーム又はプラズマアークを使用して材料を取り除くことにより加工する機械及びウォータージェット切断機械
- 84.57 金属加工用のマシニングセンター、ユニットコンストラクションマシン(シングルステーションのものに限る。)及びマルチステーショントランスファーマシン
- 84.58 旋盤(ターニングセンターを含むものとし、金属切削用のものに限る。)
- 84.59 金属用のボール盤、中ぐり盤、フライス盤、ねじ切り盤及びねじ立て盤(ウェイタイプユニットヘッド機を含むものとし、第 84.58 項の旋盤(ターニングセンターを含む。)を除く。)
- 84.60 研削盤、ホーニング盤、ラップ盤、研磨盤その他の仕上げ用加工機械(研削砥(と)石その他の研磨材料を使用して金属又はサーメットを加工するものに限るものとし、第 84.61項の歯切り盤、歯車研削盤及び歯車仕上盤を除く。)
- 84.61 平削り盤、形削り盤、立削り盤、ブローチ盤、歯切り盤、歯車研削盤、歯車仕上盤、金切り盤、切断機その他の加工機械(金属又はサーメットを取り除くことにより加工するものに限るものとし、他の項に該当するものを除く。)
- 84.62 鍛造機、ハンマー及び型鍛造機(圧延機を除く。)(プレスを含むものとし、金属加工用のものに限る。)並びにベンディングマシン、フォールディングマシン、ストレートニングマシン、フラットニングマシン、剪(せん)断機、パンチングマシン、ノッチングマシン及びニブリングマシン(引抜き機を除く。)(プレス、スリッター工程及び切断工程を含むものとし、金属加工用のものに限る。)並びにその他のプレス(金属又は金属炭化物の加工用のものに限る。)
- 84.63 その他の加工機械(金属又はサーメットの加工用のもので、これらを取り除くことなく加工するものに限る。)
- 84.64 石、陶磁器、コンクリート、石綿セメントその他これらに類する鉱物性材料の加工機械及びガラスの冷間加工機械
- 84.65 木材、コルク、骨、硬質ゴム、硬質プラスチックその他これらに類する硬質物の加工機械(くぎ打ち用、またくぎ打ち用、接着用その他の組立て用のものを含む。)
- 84.66 第 84.56 項から第 84.65 項までの機械に専ら又は主として使用する部分品及び附属品(工作物保持具、ツールホルダー、自動開きダイヘッド、割出台その他機械用の特殊な附属装置を含む。)並びに手持工具用ツールホルダー
- 84.67 手持工具(ニューマチックツール、液圧式のもの又は原動機(電気式であるかないかを問わない。)を自蔵するものに限る。)
- 84.68 はんだ付け用、ろう付け用又は溶接用の機器(切断に使用することができるかできないかを問わないものとし、第 85.15 項のものを除く。)及びガス式の表面熱処理用機器
- 84.69 (欠番)
84.70~84.73 事務用機器(電子計算機を含む。)
このグループには、電子計算機を初めとする事務用機器が含まれます。
- 84.70 計算機並びにデータを記録し、再生し及び表示するポケットサイズの機械(計算機能を有するものに限る。)並びに会計機、郵便料金計機、切符発行機その他これらに類する計算機構を有する機械並びに金銭登録機
- 84.71 自動データ処理機械及びこれを構成するユニット並びに磁気式又は光学式の読取機、データをデータ媒体に符号化して転記する機械及び符号化したデータを処理する機械(他の項に該当するものを除く。)
- 84.72 その他の事務用機器(例えば、謄写機、あて名印刷機、自動紙幣支払機、硬貨分類機、硬貨計数機、硬貨包装機、鉛筆削り機、穴あけ機及びステープル打ち機)
84.74~84.79 その他の機械
このグループには、機器が使用される産業の種類によりHSコードを決定する下記の機器が分類されます。
- 84.74 選別機、ふるい分け機、分離機、洗浄機、破砕機、粉砕機、混合機及び涅和機(固体状、粉状又はペースト状の土壌、石、鉱石その他の鉱物性物質の処理用のものに限る。)、凝結機及び成形機(固体鉱物燃料、セラミックペースト、セメント、プラスターその他の粉状又はペースト状の鉱物性物品の処理用のものに限る。)並びに鋳物用砂型の造型機
- 84.75 電球、電子管、せん光電球その他のガラス封入管の組立て用機械及びガラス又はその製品の製造用又は熱間加工用の機械
- 84.76 物品の自動販売機(例えば、郵便切手用、たばこ用、食料品用又は飲料用のもの。両替機を含む。)
- 84.77 ゴム又はプラスチックの加工機械及びゴム又はプラスチックを材料とする物品の製造機械(この類の他の項に該当するものを除く。)
- 84.78 たばこの調製用又は製造用の機械(この類の他の項に該当するものを除く。)
84.79 その他の機械
第84.79項には、この類の他の項に属さない機器を分類します。
84.80 金型等
第84.80項には、金属鋳造用鋳型枠、鋳型ベース、鋳造用パターン及び金属、金属炭化物、ガラス、鉱物性材料、ゴム又はプラスチックの成形用の型(金属インゴット用のものを除く。)が分類されます。
84.81~84.84 コック、弁、ベアリング、歯車、トランスミッション、クラッチ、ガスケット等の汎用性の機械部品
このグループには下記の各種機械に部分品として使用する汎用性の物品を分類します。
- 84.81 コック、弁その他これらに類する物品(減圧弁及び温度制御式弁を含むものとし、管、かん胴、タンクその他これらに類する物品用のものに限る。)
- 84.82 玉軸受及びころ軸受
- 84.83 ギヤボックスその他の変速機(トルクコンバーターを含む。)、伝動軸(カムシャフト及びクランクシャフトを含む。)、クランク、軸受箱、滑り軸受、歯車、歯車伝動機、ボールスクリュー、ローラースクリュー、はずみ車、プーリー(プーリーブロックを含む。)、クラッチ及び軸継手(自在継手を含む。)
- 84.84 ガスケットその他のこれに類するジョイント(他の材質と結合した金属板製のもの及び二層以上の金属から成るものに限る。)、材質の異なるガスケットその他これに類するジョイントをセットにし又は取りそろえて小袋入りその他これに類する包装にしたもの及びメカニカルシール
84.85~84.86 三次元プリンター及び半導体製造装置
このグループには、三次元プリンター及び半導体製造装置が分類されます。
3次元プリンターは2022年、半導体製造装置等は2007年のHS改正で追加されたため、他の項に属さない機械を分類する84.79項の後に分類されることとなりました。
- 84.85 積層造形用の機械
- 84.86 半導体ボール、半導体ウエハー、半導体デバイス、集積回路又はフラットパネルディスプレイの製造に専ら又は主として使用する機器、第84類の注11(C)の機器並びに部分品及び附属品
84.87 その他の部品
本項には、他の項に属さない電気式ではない部分品を分類します。
第85類 電気機器
HS品目表の第85類には、発電機、モーター、電池等の他、家庭用、産業用の電気機器、テレビ、ビデオや通信機器が分類されます。また、半導体やコンデンサー等の電子部品もこの類に分類されます。
第84類に分類されるのか、また、科学光学機器として第90類に分類されるのか、なかなか分かりにくい物品もありますが、そのような場合は、類注や関税率表解説の規定を参考にして分類を行いましょう。
第85類の構成を見ていくこととします。
85.01~85.07 電気の発生・変換・蓄積に使用される機器・磁石
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.01 電動機及び発電機(原動機とセットにした発電機を除く。)
- 85.02 発電機(原動機とセットにしたものに限る。)及びロータリーコンバーター
- 85.03 第85.01項又は第85.02項の機械に専ら又は主として使用する部分品
- 85.04 トランスフォーマー、スタティックコンバーター(例えば、整流器)及びインダクター
- 85.05 電磁石、永久磁石及び永久磁石用の物品で磁化してないもの並びに電磁式又は永久磁石式のチャック、クランプその他これらに類する保持具並びに電磁式のカップリング、クラッチ、ブレーキ及びリフティングヘッド
- 85.06 一次電池
- 85.07 蓄電池(隔離板を含むものとし、長方形(正方形を含む。)であるかないかを問わない。)
85.07~85.10 家庭用電気機器等(モータを利用したもの)
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.08 真空式掃除機
- 85.09 家庭用電気機器(電動装置を自蔵するものに限るものとし、第85.08項に属する真空式掃除機を除く。)
- 85.10 かみそり、バリカン及び脱毛器(電動装置を自蔵するものに限る。)
85.11~85.18 電気的な特性又は効果によって作動する機器
このグループには、電磁効果、発熱,発光等により作動する下記の機器が含まれます。
- 85.11 火花点火式又は圧縮点火式の内燃機関の点火又は始動に使用する種類の電気機器(例えば、点火用磁石発電機、直流磁石発電機、イグニションコイル、点火プラグ、予熱プラグ及びスターター)並びにこれらの内燃機関に使用する種類の発電機(例えば、直流発電機及び交流発電機)及び開閉器
- 85.12 電気式の照明用又は信号用の機器(第85.39項の物品を除く。)、ウインドスクリーンワイパー及び曇り除去装置(自転車又は自動車に使用する種類のものに限る。)
- 85.13 携帯用電気ランプ(内蔵したエネルギー源(例えば、電池及び磁石発電機)により機能するように設計したものに限るものとし、第85.12項の照明用機器を除く。)
- 85.14 工業用又は理化学用の電気炉(電磁誘導又は誘電損失により機能するものを含む。)及び工業用又は理化学用のその他の機器(電磁誘導又は誘電損失により物質を加熱処理するものに限る。)
- 85.15 はんだ付け用、ろう付け用又は溶接用の機器(電気式(電気加熱ガス式を含む。)。レーザーその他の光子ビーム式、超音波式、電子ビーム式、磁気パルス式又はプラズマアーク式のものに限るものとし、切断に使用することができるかできないかを問わない。)及び金属又はサーメットの熱吹付け用電気機器
- 85.16 電気式の瞬間湯沸器、貯蔵式湯沸器、浸せき式液体加熱器、暖房機器及び土壌加熱器、電熱式の調髪用機器(例えば、ヘアドライヤー、ヘアカーラー及びカール用こて)及び手用ドライヤー、電気アイロンその他の家庭において使用する種類の電熱機器並びに電熱用抵抗体(第85.45 項のものを除く。)
- 85.17 電話機(スマートフォン及び携帯回線網用その他の無線回線網用のその他の電話を含む。)及びその他の機器(音声、画像その他のデータを送受信するものに限るものとし、有線又は無線回線網(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN))用の通信機器を含む。)(第84.43項、第85.25項、第85.27項及び第85.28項の送受信機器を除く。)
- 85.18 マイクロホン及びそのスタンド、拡声器(エンクロージャーに取り付けてあるかないかを問わない。)、ヘッドホン及びイヤホン(マイクロホンを取り付けてあるかないかを問わない。)、マイクロホンと拡声器を組み合わせたもの、可聴周波増幅器並びに電気式音響増幅装置
85.19~85.24 音声・映像用機器、記録媒体及びフラットパネルディスプレイモジュール
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.19 音声の記録用又は再生用の機器
- 85.21 ビデオの記録用又は再生用の機器(ビデオチューナーを自蔵するかしないかを問わない
- 85.22 部分品及び附属品(第85.19項又は第85.21項の機器に専ら又は主として使用するものに限る。)
- 85.23 ディスク、テープ、不揮発性半導体記憶装置、スマートカードその他の媒体(記録してあるかないかを問わず、ディスク製造用の原盤及びマスターを含むものとし、第37類の物品を除く。)
- 85.24 フラットパネルディスプレイモジュール(タッチスクリーンが組み込まれているかいないかを問わない。)
85.25~85.29 放送用の送受信機・航行用無線機器等
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.25 ラジオ放送用又はテレビジョン用の送信機器(受信機器、録音装置又は音声再生装置を自蔵するかしないかを問わない。)、テレビジョンカメラ、デジタルカメラ及びビデオカメラレコーダー
- 85.26 レーダー、航行用無線機器及び無線遠隔制御機器
- 85.27 ラジオ放送用の受信機器(同一のハウジングにおいて音声の記録用若しくは再生用の機器又は時計と結合してあるかないかを問わない。)
- 85.28 モニター及びプロジェクター(テレビジョン受像機器を有しないものに限る。)並びにテレビジョン受像機器(ラジオ放送用受信機又は音声若しくはビデオの記録用若しくは再生用の装置を自蔵するかしないかを問わない。)
- 85.29 第85.24項から第85.28項までの機器に専ら又は主として使用する部分品
85.30~85.31 信号用機器・警報器等
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.30 鉄道、軌道、道路、内陸水路、駐車施設、港湾設備又は空港の信号用、安全用又は交通管制用の電気機器(第86.08項のものを除く。)
- 85.31 電気式の音響信号用又は可視信号用の機器(例えば、ベル、サイレン、表示盤、盗難警報器及び火災警報器(第85.12項又は第85.30項のものを除く。)
85.32~85.38 電気部品、電気制御盤、電気回路及びその部分品
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.32 固定式、可変式又は半固定式のコンデンサー
- 85.33 電気抵抗器(可変抵抗器及びポテンショメーターを含むものとし、電熱用抵抗体を除く
- 85.34 印刷回路
- 85.35 電気回路の開閉用、保護用又は接続用の機器(例えば、スイッチ、ヒューズ、避雷器、電圧リミッター、サージ抑制器、プラグその他の接続子及び接続箱。使用電圧が1,000ボルトを超えるものに限る。)
- 85.36 電気回路の開閉用、保護用又は接続用の機器(例えば、スイッチ、継電器、ヒューズ、サージ抑制器、プラグ、ソケット、ランプホルダーその他の接続子及び接続箱。使用電圧が1,000ボルト以下のものに限る。)並びに光ファイバー(束にしたものを含む。)用又は光ファイバーケーブル用の接続子
- 85.37 電気制御用又は配電盤用の盤、パネル、机、キャビネットその他の物品(第90類の機器を自蔵するものを含み、第85.35項又は第85.36項の機器を二以上装備するものに限る。)及び数値制御用の機器(第85.17項の交換機を除く。)
- 85.38 第85.35項から第85.37項までの機器に専ら又は主として使用する部分品
85.39~85.42 電球、放電管、熱電子管、半導体デバイス等
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.39 フィラメント電球及び放電管(シールドビームランプ、紫外線ランプ及び赤外線ランプを含む。)、アーク灯並びに発光ダイオード(LED)光源
- 85.40 熱電子管、冷陰極管及び光電管(例えば、真空式のもの、蒸気又はガスを封入したもの、水銀整流管、陰極線管及びテレビジョン用撮像管)
- 85.41 半導体デバイス(例えば、ダイオード、トランジスター及び半導体ベースの変換器)、光電性半導体デバイス(光電池(モジュール又はパネルにしてあるかないかを問わない。)を含む。)、発光ダイオード(LED)(他の発光ダイオード(LED)と組み合わせてあるかないかを問わない。)及び圧電結晶素子
- 85.42 集積回路
85.43 その他の電機機器
第85.43項には、上記の項に該当しない電気機器(固有の機能を有するものに限る。)が分類されます。
85.44~85.47 電線、光ファイバーケーブル、炭素電極、碍子、絶縁用物品
このグループには、下記の物品が属します。
- 85.44 電気絶縁をした線、ケーブル(同軸ケーブルを含む。)その他の電気導体(エナメルを塗布し又は酸化被膜処理をしたものを含むものとし、接続子を取り付けてあるかないかを問わない。)及び光ファイバーケーブル(個々に被覆したファイバーから成るものに限るものとし、電気導体を組み込んであるかないか又は接続子を取り付けてあるかないかを問わない。)
- 85.45 炭素電極、炭素ブラシ、ランプ用炭素棒、電池用炭素棒その他の製品で黒鉛その他の炭素のもの(電気的用途に供する種類のものに限るものとし、金属を取り付けてあるかないかを問わない。)
- 85.46 がい子(材料を問わない。)
- 85.47 電気機器の電気絶縁用物品(成形中に金属製のさ細な部分(例えば、ねじを切ったソケット)を専ら組立てのため組み込んだものを含み、絶縁材料製のものに限るものとし、第85.46項のがい子を除く。)並びに電線用導管及びその継手(卑金属製のもので絶縁材料を内張りしたものに限る。)
85.48 その他の機器の電気式部分品
第84.48項には、この類の他の項に該当しない電気式の部分品が分類されます。
85.49 電気電子機器のくず
第84.49項には電気電子機器のくずが分類されます。これらは金属の回収等に用いられます。本来の用途又は別の用途(subsequent use)に適合させるための修理、改修、リノベーション、再利用又は転用に適する物品を含みません。
第16部の機器の分類上の注意点
商業上、同じグループに属する物品、似たような機器でも、機器の構成や機能等により異なる類に分類される物品が数多くあります。下記に身近な物品について整理しておきたいと考えます。
家庭用機器
第84類に分類される家庭用機器
- 84.14:扇風機、換気扇
- 84.18:冷蔵庫、冷凍庫
- 94.19:ガス給湯器
- 84.22:食器洗い機
- 84.50:洗濯機
- 84.51:衣類乾燥機
- 84.52:ミシン
第85類に分類される家庭用電気機器
- 85.08:真空掃除機
- 85.09:食物用グラインダー、食物用ミキサー及び果汁又は野菜ジュースの搾り機、スライサー、電動歯ブラシ、空気加湿器、除湿器(何れも、電動装置を自蔵するものに限る。)
- 85.10:かみそり、バリカン及び脱毛器(電動装置を自蔵するものに限る。)
- 85.16:電気式給湯器、ヘアドライヤー、ヘアカーラー、カール用こて、電気アイロン、電子レンジ、電気式オーブン、グリル、コーヒーメーカー、トースター、電気式暖房器具
その他の類に分類される家庭用機器
- 73.21:ストーブ、オーブン、ガスコンロ(鉄鋼製のもの)
- 82.10:食物用グラインダー、食物用ミキサー及び果汁又は野菜ジュースの搾り機、スライサー(電動式ではないもの)
IT機器・記録媒体
第84類に分類されるIT機器・記録媒体
- 84.43:印刷機(デジタル複合機、インクジェットプリンターを含む。)
- 84.71:自動データ処理機(パソコンを含む。)、タブレットコンピューター、ハードディスク記録装置、磁気式又は光学式の読取機
第85類に分類されるIT機器・記録媒体
- 85.17:スマートフォン、LAN又はWAN用の通信機器(イーサネットインターフェイスカード、モデム、ルーター、ハブ等)
- 85.23:フラッシュメモリー(不揮発性半導体記憶装置)、磁気媒体(テープ等)、光学媒体(DVD等)
- 85.25:デジタルカメラ、ビデオカメラ
- 85.28:液晶モニター
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