HS品目表の通則1は、物品の分類は、項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従って行うことを規定しており、関税分類を行う上での大原則です。
HS品目表の項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定は条約そのもの、その品目表を翻訳した「関税率表別表」は法律そのものですので、これらの規定に従い関税分類を行っていく必要があります。
部、類及び節の表題は、単に参照上の便宜のために設けたものである。この表の適用に当たっては、物品の所属は、項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従い、かつ、これらの項又は注に別段の定めがある場合を除くほか、次の原則に定めるところに従って決定する。
目次
部・類・節の表題について
HS品目表は、全ての商品を部、類及び節に区分し、それぞれにできるだけ簡明な表題が付されています。しかしながら、多くの場合、部及び類に含まれる商品をすべて表題に含めることも、また、特定して列挙することも不可能です。そのため、通則1の冒頭で、部、類及び節の表題は「単に参照上の便宜のために設けたものである」ことを明記しています。例えば、次の事例のように類の表題と実際の分類が異なっている物品が多数あります。
- 硝酸アンモニウム(31.02項)
31類注2には、硝酸アンモニウムは純粋であるかどうかにかかわらず、31類(肥料)に分類されること、28類注3には、28類(無機化合物)に分類されないことが規定されている。 - 食用の牛の胃・腸(ミノ、センマイ、ホルモン)(05.04項)
牛の胃・腸は2類(肉及び食用のくず肉)には分類されず、項に特掲されている5類(その他の動物性生産品)の05.04項に分類される。ただし、くず肉でも、タン(舌)、レバー(肝臓)、ハツ(心臓)、マメ(腎臓)、フクロ(肺)等は02.06項のくず肉に分類される。
項の規定・部注又は類注の規定
物品の分類を決定する際には、項の規定及びこれに関係する部注又は類注の規定に従うこととされています。
大部分の物品は通則1を用いて分類決定を行うことができます。国際分類例規には、どの通則を使用して分類が決定されたか記載されていますが、多くは通則1が適用されています。
通則1では分類が決定できない場合及び「別段の定めがある場合」
「これらの項又は注に別段の定めがある場合を除くほか、次の原則に定めるところに従って決定する。」とあるのは、通則1では分類を決定できない場合、例えば2以上の構成要素からなる物品や2以上の項に分類される可能性があるため、物品の所属を決定できない場合など、必要に応じ通則2、3又は4の原則に従って分類を行うことを示しています。
また、「これらの注又は項に別段の定めがある場合を除くほか」とは、注又は項の規定が通則2から4と矛盾する場合には、注又は項の規定が適用されることを示しています。
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