靴や履物はHS品目表の第64類に分類されます。
 また、靴の部分品・付属品や膝下から足の甲にかけて巻くゲートルやレッグウォーマーも第64類に分類されます。

目次

靴のHSコード(64.01~64.05)

  各項の規定が長いので、難解に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、第64.01項から第64.05項の靴について下記のように本底と甲のマトリックスを作ってみるとそれ程複雑ではありません。

 革を使用した靴を日本に輸入する場合には非常に高い関税率となっている項目があります。また、関税定率法第14条の無条件免税の対象外となっており、安価な靴に高額の関税が課される場合があります。
 革を使用した靴は「30%又は4,300円/足のうちいずれか高い税率」が課されることとなっています。例えば1足2千円の革靴を輸入しようとした場合には、4,300円の関税が課されることとなっています。インターネット通販で革靴を輸入する場合にはくれぐれもご用心ください。
 スポーツ用のシューズは高額関税の対象外ですが、スポーツ用シューズに該当するか否かは予め税関に確認することが推奨されます。
 また、靴を無税又は低い関税で輸入する方法としてEPAを利用して輸入する方法があります。EPA原産地証明書の発行や税関から原産地基準を満たしていることを証明するように求められた場合に輸出者が対応してくれるかどうか確認の上、注文することが必要と思われます。

ゲートル、レギンス、レッグウォーマー(64.06)

 革、キャンバス生地、フェルト、メリヤス編物又はクロセ編物のゲートル、レギンス、レッグウォーマーが本項に分類されます。これらは紡織用繊維製のものであっても第61類又は第62類には分類されません。
 本項には、脚部の一部又は全部及び場合によっては、足の一部(例えば、くるぶし、甲)を覆うように製造されている物品が分類され、ソックス及びストッキング等、足の全体を覆うものは分類されません。
 ゲートルやレギンスは第2次世界大戦までの軍隊で標準装備として使用されていたようですが、編み上げ式の半長靴の普及により軍隊では廃れているようです(フリー百科事典『ウィキペディア』)。 現在では、土木作業や登山の際に使用されています。
 関税率表解説に例示されている物品は、一般にはなじみがないものや、現在の日本語では別の意味に用いられているものがありますので注意が必要です。

ゲートル(gaiters)

 ゲートル(gaiters)は脚絆とも呼ばれ、脛の部分に巻く紡織用繊維や革でできた衣類です。現在では、土木作業や登山の際に使用されています。

レギンス(legging

 レギンス(leggingは「Webster’s New World College Dictionary」では次のように記載されています。

  1. a covering of canvas, leather, etc. for protecting the leg below the knee(きゃはん、ゲートル、すね当て)
  2. [pl.] a child’s outer garment with legs, worn in cold weather(小児用保温ズボン)
  3. [pl.] a tightfitting garment like tights but without feet, varying in length from the ankle to just above the knee(伸縮性のあるズボン)

 第64.06項に分類されるレギンスは1.のものです。2.のものは、関税率表解説で第64.06項から除外されることが明記されています。現在ではレギンスは3.の意味で用いられることが多い様ですが、勿論これらは第64.06項ではなく第61類又は第62類に分類されます。
 足の甲を覆う形状のレギンスでは、靴の土踏まずに掛けるベルトを備えるものもあります。

スパッツ(spats)

 スパッツ(spats)は、くるぶしの少し上まである短いゲートルのことです。
 なお、日本語の「スパッツ」は和製英語で、英語ではレギンス (leggings:上記の3.の意味)と言い、第61類又は第62類に分類される物品です。

パティー(puttee、puttie)

 パティー(puttee、puttie)は、足首から膝までの脚の下部を覆うもので、レッグラップ、レッグビンディング、ウィニンガ、ウィッケルベンダーなどとしても知られています。それらは、脚にしっかりと巻き取られ、らせん状に巻かれた細長い布片で構成されており、(圧縮衣服として)サポートと保護の両方を提供する役割を果たします。それらは騎乗した兵士と馬から降りた兵士の両方が着用し、通常は革製または布製のゲートルの代わりに使用されました(英語版ウィキペディア)。

第64.06項に含まれない物品

 本項には、次の物品は含まれません。

  • ひざ当て及びアンクルサポーター(構成する材料により分類。繊維製品の場合は第61.17項、第62.17項又は第63,07項(膝関節支持用のもの))
  • クリケットパッド、すね当て、ひざ当てその他のスポーツ用の保護物品(95.06)
  • 石綿製のもの(68.12)

靴の部分品及び付属品(64.06)

 靴の部分品及び付属品は、第64.06項に分類されます。
 靴の甲、内底、中入れ底、本底、かかと等が含まれます。
 但し、次の物品は含まれません。

  • 木くぎ、くぎ、アイレット、フック、バックル、プロテクター(材料により分類)
  • 組ひも、ポンポン及びひも(繊維製品の場合は63.07項)
  • 石綿製の履物の部分品及び附属品(68.12)
  • ボタン、スナップファスナー、プレススタッド及び押しボタン(96.06)
  • スライドファスナー(ジッパー)(96.07)

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